【ソロコンテスト】サックスおすすめ曲14選

サックスのソロコンテストやソロの発表会に向けての選曲にお悩みではないですか?

先に結論です。中学生のアルトサックスの本命は「アンダンテとアレグロ(シャイユー)」、高校生で入賞を狙うなら「ファンタジー(ドゥメルスマン)」「プレリュードとサルタレロ(プラネル)」「チャルダッシュ(モンティ)」、全国大会や音大受験を見据えるなら「サクソフォン・ソナタ(クレストン)」「コンチェルティーノ・ダ・カメラ(イベール)」が定番です。

ただし、曲の難易度だけで選ぶと失敗します。ソロコンの選曲は「制限時間」「ピアノ伴奏者」「技術の壁」の3つの条件から逆算するのがコツです。全日本中学生・高校生管打楽器ソロコンテストは演奏時間4分以内という規定があり、クレストンのソナタもイベールも、そのままでは収まりません。

この記事では、サックス歴20年でソロも多く演奏してきた著者が、アルト・ソプラノ・テナー・バリトンの22曲を「目安時間・伴奏の負担・ダブルタンギングの有無・4分ルールとの相性」で整理し、学年別におすすめを解説します。千葉県のソロコンテストで実際に演奏された曲のデータ(2016〜2021年・サックス57件)も参照しています。

アルトサックスのマウスピースを構える奏者
選曲は「制限時間・伴奏者・技術の壁」の3条件から逆算すると失敗しません

まず結論:学年・目的別の本命曲(アルトサックス)

目的本命次の候補
中学生ではじめてのソロコンアンダンテとアレグロ(シャイユー)ロマンティック組曲より「ラバ追いの歌」(プラネル)/アリア(ボザ)
高校生で入賞を狙うファンタジー(ドゥメルスマン)プレリュードとサルタレロ(プラネル)/チャルダッシュ(モンティ)/シャンソンとパスピエ(リュエフ)
全国大会・音大受験レベルサクソフォン・ソナタ 第1楽章(クレストン)コンチェルティーノ・ダ・カメラ(イベール)/スカラムーシュ(ミヨー)/協奏曲(グラズノフ)
ピアノ伴奏者がいないワルツ形式によるカプリス(ボノー)無伴奏チェロ組曲(バッハ・バリトン)/エチュード

テナー・バリトン・ソプラノで出場する方の候補は、後半の「ソプラノ・テナー・バリトンサックスのおすすめ曲」でまとめています。

選曲は3つの条件から逆算する

条件1:制限時間(全国大会は4分以内)

全日本中学生・高校生管打楽器ソロコンテスト(主催:日本吹奏楽指導者協会)は、演奏時間4分以内と定められています。4分を超えた場合は演奏を中断されますが、減点はありません。とはいえ、最後まで聴いてもらえないのは大きな損ですから、4分に収める前提で曲とカットを決めます。

一方で、県や市のコンテストは8〜9分まで認めるところもあり、超過を失格にする大会もあります。主催者によって規定がまったく違うので、候補曲を決める前に、出場する大会の実施要項を先に読むのが鉄則です。

条件2:ピアノ伴奏者がいるか、伴奏の難しさに耐えられるか

サックスの曲は20世紀フランスの作品が中心で、ピアノパートが難しい曲が多いのが特徴です。クレストンのソナタ、イベール、ミヨーの「スカラムーシュ」は、伴奏者にとっても本気の譜読みになります。学校の先生や友人に頼む場合は、候補曲の伴奏譜を先に見てもらって、引き受けてもらえるかを確認してから決めてください。

伴奏者が見つからない場合は、無伴奏の曲かエチュードで参加する方法があります(後半で紹介します)。

条件3:技術の壁(ダブルタンギング・フラジオ・跳躍)

サックスでは「ダブルタンギング」と「フラジオ(最高音域)」が曲選びの分かれ目です。シャイユー、ボザの「アリア」、プラネルの組曲はどちらも不要で、音色と歌い方で勝負できます。クレストンのソナタ第1楽章やイベールは速いパッセージの連続で、ダブルタンギングがほぼ必須になります。

もうひとつの壁は跳躍と低音です。低いB♭やサブトーンがきれいに出るか、オクターブキイをまたぐ跳躍が滑らかかで、同じ曲でも仕上がりが大きく変わります。自分の今の武器が「音色」なのか「指」なのかで、選ぶ曲は変わります。

【早見表】サックス ソロコン曲22選(目安時間・伴奏・ダブルタンギング・4分ルール)

目安時間は一般的な演奏例をもとにした数字で、版やテンポによって前後します。「4分ルール」は、全日本中学生・高校生管打楽器ソロコンテストの規定に対する相性です。楽器の記載がないものはアルトサックスです。

曲(作曲者)目安レベル目安時間ピアノ伴奏の負担ダブルタンギング4分ルール
アンダンテとアレグロ(シャイユー)中学〜約6分中不要カットが必要
ロマンティック組曲より「ラバ追いの歌」(プラネル)中学〜約3分やさしめ不要収まる
アリア(ボザ)中学〜約3分やさしめ不要収まる
性格的小品(組曲形式による)(P.M.デュボワ)中学〜1曲 約2〜3分中曲による2曲選んで収める
プロヴァンスの風景 第1・第2楽章(モーリス)中学上級〜各 約2〜3分中不要2楽章で収まる
バラード(A.リード)中学上級〜約6分中不要カットが必要
シャンソンとパスピエ(リュエフ)高校約5分中一部軽いカットで収まる
ファンタジー(ドゥメルスマン)高校約7分中必要変奏を選んで収める
プレリュードとサルタレロ(プラネル)高校約6分中〜難必要カットが必要
チャルダッシュ(モンティ)高校約4〜5分中必要軽いカットで収まる
小さなチャルダッシュ(イトゥラルデ)高校約5分中必要軽いカットで収まる
サクソフォン・ソナタ 第1楽章(クレストン)高校上級〜全国約5分難必要軽いカットで収まる
コンチェルティーノ・ダ・カメラ 第1楽章(イベール)全国・音大受験約4分半難必要ほぼ収まる
スカラムーシュ 第3楽章「ブラジレイラ」(ミヨー)全国・音大受験約2分半難不要収まる
協奏曲(グラズノフ)全国・音大受験約14分難必要大幅なカットが必要
プレリュード、カデンツァとフィナーレ(デザンクロ)全国・音大受験約12分難必要大幅なカットが必要
ワルツ形式によるカプリス(ボノー)高校〜・無伴奏約4分半なし必要軽いカットで収まる
セレナード・ヴァリエ(クレリス・テナー)中学〜約5分中一部軽いカットで収まる
アイナの歌(スパーク・テナー)中学〜約5分やさしめ不要軽いカットで収まる
アダージョとアレグロ(シューマン・テナー)高校約8分難不要カットが必要
演奏会用独奏曲 Op.93(サンジュレー・バリトン)高校約6分中一部カットが必要
無伴奏チェロ組曲 第1番よりプレリュード(バッハ・バリトン)高校〜・無伴奏約3分なし不要収まる

※スマホは表を横にスクロールできます

千葉県のソロコンで実際に演奏された曲(2016〜2021年・サックス)

日本吹奏楽指導者協会 千葉県部会は、ソロコンテストで演奏された曲を楽器別に公開しています。ソロコンテスト参考曲(JBA千葉県部会)のサックス57件(中学21件・高校36件。アルト51件・テナー3件・バリトン3件)を集計すると、顔ぶれは次のとおりでした。

曲(作曲者)回数中学高校
サクソフォン・ソナタ Op.19(クレストン)10010
チャルダッシュ(モンティ)624
ファンタジー(ドゥメルスマン)505
アンダンテとアレグロ(シャイユー)422
性格的小品(P.M.デュボワ)422
ロマンティック組曲(プラネル)330
小さなチャルダッシュ(イトゥラルデ)312
プロヴァンスの風景(モーリス)211
コンチェルティーノ・ダ・カメラ(イベール)202
協奏曲(グラズノフ)211
シャンソンとパスピエ(リュエフ)/プレリュードとサルタレロ(プラネル)/バラード(リード)/スカラムーシュ(ミヨー)ほか各1——

ここから読み取れることは2つあります。ひとつは、高校生はクレストンのソナタに集中していること。57件中10件、高校生だけなら36件中10件がこの曲でした。審査員も聴き慣れている曲なので、仕上がりの差がそのまま点数になります。もうひとつは、中学生の選曲が「シャイユー」「プラネルのロマンティック組曲」「デュボワ」「チャルダッシュ」に分かれていることです。中学生は無理にクレストンに手を出さず、この4曲から自分に合うものを選べば大きく外しません。

なお、県の本選会は全国大会より制限時間が長い場合があるため、グラズノフの協奏曲のような長い曲も入っています。4分規定の大会に出るときは、早見表の「4分ルール」の列を優先してください。

中学生におすすめのソロコン曲(アルトサックス)

アンダンテとアレグロ(シャイユー)

千葉県のデータで中学・高校ともに選ばれている、中学生の本命です。

楽曲情報

演奏時間…約3分半

難易度…初級(〜中級)

ゆったりとしたアンダンテと技巧的なアレグロが組み合わさっている楽曲で、こちらも音色とテクニックどちらもアピールできる曲となっています。

特に後半のアレグロ部分では、音量を出す必要がある箇所が多くありますが、音色が荒れすぎないように注意して演奏してください。

ロマンティック組曲より「ラバ追いの歌」(プラネル)

フランスの作曲家プラネルが書いた6曲からなる組曲で、ソロコンでは第6曲「ラバ追いの歌(Chanson du muletier)」が最もよく演奏されます。約3分と短く、4分規定にそのまま収まるのが最大の強みです。千葉県のデータでは中学生が3回選んでいます。

軽快なリズムに乗って歌う曲で、ダブルタンギングは不要です。短い曲だからこそ、フレーズの入りと終わりの処理、アーティキュレーションのそろえ方が点数を分けます。他の曲(第1曲「バラード」など)と組み合わせて時間を調整することもできます。

アリア(ボザ)

ボザが1936年に書いた約3分の小品で、バッハの「G線上のアリア」を思わせる長い歌のフレーズが続きます。技術的な難所はなく、音色・ブレスコントロール・ヴィブラートだけで勝負する曲です。指が回る人より、きれいな音を持っている人に向いています。伴奏もやさしく、4分規定にそのまま収まります。

性格的小品(組曲形式による)(ピエール・マックス・デュボワ)

フランスの作曲家デュボワの組曲で、「フランス風に」「スペイン風に」「ロシア風に」「ハンガリー風に」「パリ風に」の5曲からなります。1曲が2〜3分なので、2曲を選んで4分に収める使い方ができ、千葉県のデータでも中学・高校あわせて4回選ばれています。性格の違う2曲を組み合わせれば、歌と技巧の両方を見せられます。

プロヴァンスの風景 第1・第2楽章(モーリス)

楽曲情報

演奏時間…約4分

難易度…中級

プロヴァンスの風景は5曲の組曲ですが、第1楽章と第2楽章を演奏する方が多いようです。

第1楽章は運指的に難しい箇所であっても、アーティキュレーションをはっきり演奏するようにしましょう。

第2楽章は、盛り上がる箇所でも柔らかい音色で演奏するよう注意します。

バラード(アルフレッド・リード)

吹奏楽作品で知られるリードが書いたアルトサックスのバラードです。ゆったりとした歌が中心で、フラジオもダブルタンギングも不要です。約6分なので、中間部を省くカットを伴奏者と相談してください。千葉県のデータでは中学生が選んでいます。

高校生で入賞を狙うソロコン曲(アルトサックス)

シャンソンとパスピエ(リュエフ)

楽曲情報

演奏時間…約3分半

難易度…初級(〜中級)

歌曲を意味するゆったりとした美しいメロディのシャンソンと、快活な舞曲を意味し、技巧的なパスピエに分かれています。

音色とテクニック、どちらもアピールできる曲となっています。

3/8拍子は見慣れないかもしれませんが、サックスパートは簡単な部類になるかと思います。

しかし、ピアノとの掛け合いが難しくなっているので、選曲する場合は、時間をとって合わせ練習をするようにしましょう。

オリジナルの主題による幻想曲(ドゥメルスマン)

千葉県のデータでは高校生が5回選んだ、高校生の定番です。主題と変奏の構成なので、得意な変奏を選べば4分に収められます。

楽曲情報

演奏時間…約6分半

難易度…中級〜上級

長い音、アーティキュレーションを伴った音、カデンツなど様々な音楽的な要素が登場してきます。

終盤はかなりテンポが速くなるので、脱力をしっかり意識して指回しをするようにしましょう。

プレリュードとサルタレロ(プラネル)

楽曲情報

演奏時間…約8分

難易度…中級

プレリュード(約2分半)、カデンツ(約3分)、サルタレロ(約2分)の3部構成の曲となっているので、制限時間に応じて演奏する楽曲を決めてください。

なお、カデンツはピアノ伴奏がない独奏曲です。

プレリュードはテンポが♩=48で遅い上に、6連符や32分音符などの細かい音符があるため、リズムや縦線を合わせるのが難しい楽曲となっています。

カデンツは拍を微妙に揺らしながら演奏します。様々な音源を聴いて、揺らしかたを研究してみましょう。

チャルダッシュ(モンティ)

もともとはヴァイオリンのための曲ですが、サックスでも定番で、千葉県のデータでは57件中6件と2番目に多く演奏されていました。ゆったりしたラッサンと、速いフリスカの対比がそのまま「歌う力」と「動く力」のアピールになります。

約4〜5分なので、軽いカットで4分に収まります。後半はダブルタンギングと速い指回りが必須です。版によって調やカデンツァが違うので、先生と相談して楽譜を決めてください。

小さなチャルダッシュ(イトゥラルデ)

スペインのサックス奏者イトゥラルデが書いた、ジャズの響きを持つチャルダッシュです。モンティと同じく緩急の対比で聴かせますが、こちらはカデンツァとスウィング感が特徴で、クラシック一辺倒ではない表現力を見せられます。約5分、ダブルタンギングは必須です。

全国大会・音大受験レベルのソロコン曲(アルトサックス)

サクソフォン・ソナタ 第1楽章(クレストン)

千葉県のデータで高校生36件中10件が選んだ、高校生の最多曲です。

楽曲情報

演奏時間…約4分半

難易度…中級〜上級

クレストンのソナタは3楽章構成ですが、ソロコンでは第1楽章の演奏が多いようです。

難解な指回しの中にも、歌えるようなメロディが何箇所もあります。

第1楽章にはフラジオのソ(実音B♭)の音が出てくるので、注意してください。

アルト・サクソフォーンと11の楽器のための室内小協奏曲 第1楽章(イベール)

楽曲情報

演奏時間…約4分半

難易度…上級

音楽大学の試験曲となるような、非常に難易度の高い楽曲です。

全編を通して、複雑な運指が続き、気を抜くことができません。

フラジオはオプションで登場しますが、オプションパートを演奏されることが多いようです。

スカラムーシュ 第3楽章「ブラジレイラ」(ミヨー)

ミヨーが1937年に書いた3楽章の組曲で、ソロコンでは第3楽章「ブラジレイラ」が人気です。約2分半と短く4分に収まりますが、サンバのリズムに乗った速いパッセージと、ピアノとの掛け合いの精度が問われます。伴奏の難易度が非常に高いので、ピアニストの確保が先決です。時間に余裕がある大会では第2楽章「モデレ」と組み合わせます。

協奏曲(グラズノフ)

1934年に書かれた、サックスのための協奏曲の最高峰です。全曲は約14分と長く、4分規定ではカデンツァ前後や終結部など、場面を絞った大幅なカットが必要です。音大受験ではほぼ必ず課題に挙がる曲なので、長期的に取り組む価値があります。

プレリュード、カデンツァとフィナーレ(デザンクロ)

パリ音楽院の試験曲として1956年に書かれた難曲です。無伴奏のカデンツァ部分だけを抜き出して演奏する方法もあり、伴奏者がいない上級者の選択肢にもなります。全曲は約12分です。

ソプラノ・テナー・バリトンサックスのおすすめ曲

テナーやバリトンで出場する場合、アルト用の曲を移調して吹くこともできますが、楽器のために書かれた曲や、チェロ・ホルンなどからの編曲の方が自然に鳴ります。

セレナード・ヴァリエ(クレリス)〜テナー

楽曲情報

演奏時間…約2分半

難易度…初級

テナーサックス・ソプラノサックス、どちらでも挑戦できる楽曲です。

演奏難易度は高くなく、初心者でも挑戦しやすいおすすめの曲となっています。

タンギングが力んでしまわないよう、注意して演奏しましょう。

アイナの歌(スパーク)〜テナー

楽曲情報

演奏時間…約5分

難易度…初級(〜中級)

元々、ユーフォニアムとピアノのための楽曲ですが、テナーサックスでも演奏可能です。

全体的に歌う箇所が多く、技術的にアピールすることは難しいですが、テナーサックスの音域に非常にマッチします。

ユーフォニアム向けに発売されている楽譜を使えば、書き換えることなく演奏が可能となっています。

ファンタジー(ベダール)〜テナー

楽曲情報

演奏時間…約6分

難易度…中級(〜上級)

ソプラノサックス・テナーサックスどちらでも挑戦できる楽曲ですが、ソプラノサックスで演奏されることの方が多いようです。

スタッカートのあるテクニカルな旋律とレガートの旋律がはっきり分かれているため、吹き分けが重要になってきます。

臨時記号で様々な調に転調します。#が7つの調性も出てくるので、スケール練習は怠らないようにしておきましょう。

アダージョとアレグロ(シューマン)〜テナー

楽曲情報

演奏時間…約8分

難易度…中級(〜上級)

アダージョ(約3分半)、アレグロ(約4分半)の2曲から構成されています。

チェロやホルンで演奏されることが多い楽曲ですが、世界的サックス奏者である須川展也氏の編曲版が発売されたことにより、テナーサックスでも演奏されることが一般的になりました。

アダージョではフラジオのソ(実音F)の音が登場しますので注意してください。

同音のタンギングが多く登場しますが、力まないように注意しましょう。

演奏会用独奏曲 Op.93(サンジュレー)〜バリトン

楽曲情報

演奏時間…約4分半

難易度…中級(〜上級)

数少ないバリトンサックスのためのオリジナル曲です。

バリトンサックスが演奏しやすい、得意な音域で全体を通して書かれています。

速いパッセージが不明瞭にならないように、注意して演奏しましょう。

アディオス・ノニーノ(ピアソラ)〜バリトン・アルト

千葉県のデータではバリトンサックスで演奏されています。

楽曲情報

演奏時間…約5分

難易度…中級〜上級

冒頭から長いカデンツが展開されます。テンポを揺らしたり、休符の間を研究するようにしてください。

終盤の盛り上がる箇所には、フラジオのソ(実音B♭)の音、ラ(実音C)の音が登場します。

ピアノソロの見せ場もあって、ソロコンテストだけでなく、コンサートでも映える選曲だと思います。(ピアノソロをカットすれば、1分ほど演奏時間を削減することができます。)

無伴奏(ピアノなし)でソロコンに出る場合

奏者によってはピアニストにお願いできない、といった事情もあるでしょう。その場合は無伴奏の曲か、エチュード(練習曲)で参加する方法があります。

  • ワルツ形式によるカプリス(ボノー):無伴奏アルトサックスの定番。約4分半で、軽いカットで4分に収まります。ダブルタンギングと跳躍の精度が問われます。
  • 無伴奏チェロ組曲 第1番よりプレリュード(バッハ):バリトンやテナーで映える約3分の曲。4分にそのまま収まります。
  • デザンクロのカデンツァ:上級者向け。「プレリュード、カデンツァとフィナーレ」の無伴奏部分だけを演奏する方法です。
  • エチュード:ラクールやクローゼなど、エチュードで参加する人もいます。おすすめはサックスのエチュードを難易度順に解説した記事で紹介しています。

無伴奏チェロ組曲 第1番(バッハ)〜バリトン

楽曲情報

演奏時間…約3分

難易度…中級(〜上級)

タイトルの通りチェロのために書かれた、無伴奏のための楽曲です。ピアノ伴奏がいらないため選びやすいです。

チェロとバリトンサックスの音域はほとんど同じ(最低音は同一、高音域はチェロの方が高い音が出る)ため、他のチェロの曲もソロコンの候補曲となります。

16分音符が並んでいますが、均等には演奏せず、アゴーギグをつけます。

アゴーギグの付け方は他のチェロの演奏などをたくさん聴いて、研究するようにしてみましょう。

4分に収めるカットの考え方

名曲の多くは4分を超えるため、ソロコンではカットが前提になります。審査員が聴きたいのは「歌う力」と「動く力」の両方なので、どちらか一方だけが残るカットは避けましょう。

  • 骨格を残す:序奏→歌う部分→技巧的な部分→終結、という流れが分かるように切ります。途中で終わる印象を与えないこと。
  • テンポで稼がない:速くして時間を縮めると、音楽が崩れて減点されます。切る場所で調整します。
  • つなぎ目は和声で判断する:同じ調・同じ和音で戻れる場所を選びます。分からないときは、ピアニストや先生に楽譜を見てもらってください。
  • 伴奏者と早めに共有する:カット後の楽譜を伴奏者に渡し、合わせの初回から本番の形で練習します。
  • 時間は本番のテンポで実測する:ストップウォッチで3回計り、一番長い記録が制限内に収まるようにします。本番は緊張で遅くなりがちです。

選曲でよくある失敗

  • 伴奏譜の難しさを確認していない:自分のパートが吹けても、伴奏者が仕上がらなければ本番は成立しません。候補を2〜3曲に絞った段階で伴奏譜を渡しましょう。
  • 難しい曲を選べば評価されると思っている:審査は「その曲をどれだけ音楽的に吹けたか」で決まります。背伸びした曲で崩れるより、ひとつ下の曲を完成させた方が上位に入ります。
  • 楽譜の版を間違えて買っている:同じ曲でも出版社によってカデンツァや装飾、ページ割りが違います。先生と相談して版を決めてから購入してください。
  • マウスピースとリードを本番直前に替える:音色が変わって調子を崩す原因になります。替えるなら本番の1か月以上前に。
  • 楽器の調整をしていない:本番の2〜3週間前には調整に出しておきましょう。詳しくは次の章で説明します。

本番前にやっておきたい楽器の準備

分解して調整中のアルトサックス
本番の2〜3週間前には調整を。タンポ交換を含む修理パックも用意しています(写真は当店で分解調整中のアルトサックス)

ソロコンは大一番の本番です。楽器が万全でなければ、練習の成果は出し切れません。服部管楽器と楽器王の2つのブランドが運営する管楽器修理センター「Claro(クラーロ)」で、サックスの調整・修理を受け付けています。見積もりは無料で、全国から郵送で依頼できます。

楽器そのもののグレードを上げるのも選択肢です。新品は手が出ない、という方でも、服部管楽器なら調整済みの中古サックスを多数取り揃えています。サックスを専門にしているスタッフが、あなたの楽器選びを1から丁寧にサポートします。

選曲やカットを一緒に考えてくれる先生を探している方は、服部管楽器グループの音楽教室GIFT MUSIC SCHOOL のサックスレッスン(岡山・西巣鴨・蒲田・東大阪)で、30分の無料体験レッスンを受けられます。

楽器のことなら何でもお気軽にご相談ください。

ヤマハ YAS-62 アルトサックス
当店で扱うヤマハ YAS-62。中級者がソロコンで使う定番モデルのひとつです

サックスのソロコン曲 よくある質問

Q. 演奏時間が4分を超えたらどうなりますか?

全日本中学生・高校生管打楽器ソロコンテストでは、4分を超えた時点で演奏を中断されます。減点はありませんが、曲の終わりを聴いてもらえません。4分に収まるカットを作り、本番のテンポで3回計って確かめておきましょう。

Q. 中学生に一番人気の曲は何ですか?

定番は「アンダンテとアレグロ(シャイユー)」です。千葉県の2016〜2021年の演奏曲データでは、中学生はシャイユー、プラネルの「ロマンティック組曲」、デュボワの「性格的小品」、モンティの「チャルダッシュ」に分かれていました。

Q. 高校生はクレストンのソナタを選ぶべきですか?

千葉県のデータでは高校生36件中10件がクレストンでした。審査員も聴き慣れているので、仕上がりの差がそのまま出ます。第1楽章は約5分で、軽いカットで4分に収まります。ダブルタンギングと伴奏者の確保が前提です。

Q. テナーやバリトンで出場してもいいですか?

出場できます。千葉県のデータでもテナー3件・バリトン3件の記録があります。アルト用の曲を移調するより、楽器のために書かれた曲(クレリス、スパーク、サンジュレー)やチェロ・ホルンからの編曲(シューマン、バッハ)の方が自然に鳴ります。

Q. 本番前に楽器の調整は必要ですか?

必要です。タンポの傷みやキイのバランスは、低音の出やすさと弱音の安定に直結します。本番の2〜3週間前に調整に出し、戻ってきた楽器で本番の形の練習を重ねてください。

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参考資料

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