フルートでロングトーンを正しく行う方法は?得られる効果やおすすめの練習法を徹底解説!

木管楽器のひとつで、透き通るような美しい高音が魅力のフルート。フルートの演奏を上達させるためには、ロングトーンの練習が不可欠です。ロングトーンの練習において、「正しい方法がよく分からない」「練習方法が知りたい」と疑問を持つ人もいるでしょう。


そこで本記事では、フルートの演奏を上達したい人のために、ロングトーンを正しく行う方法や練習で得られる効果、おすすめの練習方法などを解説します。

本記事でわかること
  • ロングトーンとは
  • フルートでロングトーンを正しく行う方法
  • ロングトーンの練習で得られる効果
  • よくある間違いと対処法
  • ロングトーンのおすすめの練習方法

最後に、おすすめの音楽教室も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

ロングトーンとは?フルート奏者にとっての重要性

ロングトーンとは、長く一定の音を保って吹く練習のことで、フルートの演奏を上達させるには欠かせません。なぜなら、長く一定の音を吹き続けることで、音程の感覚や息のコントロールといった演奏の土台となる力が養われるためです。

ロングトーンを繰り返すうちに、わずかな音のズレに気が付くようになり、耳が鍛えられます。また、安定した音を出すためには息の量やスピードを微調整する必要があり、自然と呼吸のコントロールも上達します。

ただし、練習する際は息が漏れたり、音がブレたりしないように注意が必要です。特に高音域は難易度が高く、確認しながら丁寧に吹くことが重要です。

フルートでロングトーンを正しく行う方法

続いて、フルートでロングトーンを正しく行う方法を紹介します。ロングトーンの練習を始める前に、以下の内容をしっかり理解しておくことが大切です。

  • 正しい姿勢・構え方
  • 息の吸い方・吐き方の基本
  • 吹き始めと吹き終わりの意識ポイント
  • 音域ごとの注意点
  • 楽器のチューニングと連動した練習方法

それぞれ、詳しく解説します。

正しい姿勢・構え方

フルートでロングトーンを練習するときは正面を向いて立ち、足を肩幅程度の広さまで開きます。右足は半歩ほど斜め後ろに下げて、フルートを構えましょう。フルートを構えると、顔と身体は自然と正面を向いているはずです。
フルートを構えるときは右手を後ろに引きすぎず、ゆったりと構えることが重要です。また、前屈みにならないように注意しましょう。

息の吸い方・吐き方の基本

ロングトーンを練習するときに大切なことのひとつが、息の吸い方と吐き方です。フルートは吐いた息の多くが管の外に逃げてしまいます。そのため、トランペットやクラリネットなどの他の管楽器と比較すると、息が長く続きにくいと感じる場合があります。

息を吸ったり吐いたりするときは、腹式呼吸を意識しましょう。息を吸うときは、できるだけお腹の下あたりに息を溜めるイメージで吸います。息を吐くときは、お腹の下あたりに溜めた息を少しずつ減らしていくイメージで行いましょう。お腹の前だけではなく、横や背中まで膨らむことを感じられたら、上手に息を吸えている証拠です。

風船をゆっくり膨らまし、お腹の動きを感じながら練習してみましょう。

吹き始めと吹き終わりの意識ポイント

ロングトーンの吹き始めと吹き終わりは、息の量とスピードを変えないように意識することが重要です。長く音を伸ばすためには、息のスピードを遅くして息を節約すると考えがちですが、スピードを遅くするだけでは息が長く続きません。そのため、「いかに無駄なく効率よく息を使うか」を意識することが重要です。

まずは、吐く息の量を少なくしようとせず、唇の形(アンブシュア)を調節します。アンブシュアを小さくすればするほど、息の量は少なくなります。しかし、アンブシュアが小さすぎると力が入って息苦しくなる原因になりえるため、自然な呼吸ができる大きさを作れるように練習しましょう。

続いて、「息を長く遠くに届かせる」イメージで吹いてみてください。自然と息の量が調節されて、息が続くようになります。また、「長く伸ばせなかったらどうしよう」と不安な気持ちを忘れて、力を入れずリラックスすることも重要です。

音域ごとの注意点

フルートには低音域、中音域、高音域の3つの音域があり、口の形や息の使い方など、音域ごとに注意点が異なります。

低音域を出す場合は、口の隙間をやや大きくすることを意識しましょう。息のスピードは遅めを意識すると、低音の響きをしっかりと出せます。口を広げ気味になるようにして、息を下に押し込むようなイメージで吹くことがおすすめです。

中音域を出す場合は、音の高さによって息の速さや口の形を変えることが重要です。音によって適切な加減を見つけることで、綺麗な音色を出せるようになります。最初は、息や口が整えやすく指を押さえやすい「ソ」の音を基準にして、少しずつ練習しましょう。
高音域を出す場合は、口の隙間を小さくすることがポイントです。できるだけ上唇と下唇の隙間を小さくすることを意識しながら、綺麗な音が出せる口の形を探してください。また、細くて速い息を出せるように、息のコントロールをマスターすることも重要です。

楽器のチューニングと連動した練習方法

フルートは、自分で音程をコントロールしなければいけない楽器のため、正しい音程を覚えることは大切です。すぐに正しい音程を覚えることは難しいので、チューナーを使用して練習すると良いでしょう。

  1. 低音域の「ソ」をロングトーンで吹きます。
  2. その後1オクターブ上の「ソ」を吹いて、再び低音域の「ソ」を吹きます。
  3. 次は低音域の「ソ#」、その次は低音域の「ラ」と半音ずつ上げていきます。
  4. 中音域の「ソ」から始めるロングトーンを終えたら、半音ずつ下げていく練習をします。

上記の練習をチューナーを使いながら行うことで、音程が取れているかどうか把握できます。最初のうちは音程が取れないかもしれませんが、少しずつ慣れてくるはずです。音程が取れるようになったら、チューナーなしで練習してみましょう。

ロングトーン練習で得られる効果

続いて、ロングトーンを練習することで得られる効果について紹介します。ロングトーンを練習すると、以下のような効果が得られます。

  • 息の持ちがよくなる
  • 音程が安定するようになる

それぞれ、詳しく解説します。

息の持ちがよくなる

ロングトーンは、呼吸法の基礎の練習に適していると言われています。一定の音を保ちながら呼吸を調整することで、息の使い方や息のコントロールが上達します。


また、日頃からロングトーンの練習を行うことで「持続力」が高まり、バテにくくなることもメリットです。持続力を高めることは、フルート奏者としての基盤を築くために必要な要素のため、ロングトーンの練習は不可欠です。

音程が安定するようになる

ロングトーンの練習を行うことで、安定して一定の音を鳴らせるようになり、綺麗な音色を出せるようになります。また、美しい音を出すためには、細かい音程の修正が不可欠です。ロングトーンの練習を続けることで、少しずつ聴覚が鍛えられ、音の微妙な違いをキャッチできるようになるでしょう。

安定した音程で演奏できるようになるためには、音が正確に出ているかを確認しながら練習することがおすすめです。最初のうちは、チューナーを使用して一音ずつ丁寧に吹いてみましょう。

フルートのロングトーンで陥りがちなよくある間違いと対処法

フルートでロングトーンを練習する上で、3つのよくある課題と対処法について紹介します。

1つ目は、「息が続かない」ことです。

息が続かない原因は、息の吸い方と吐き方にあると考えられます。息が続くようになるためには、腹式呼吸が不可欠です。

腹式呼吸とは、横隔膜を大きく動かして息を吸い込み吐き出す呼吸法のことで、たくさん息を吸えます。腹式呼吸の練習方法は、以下の通りです。

  1. 姿勢を正して、おへその上に手を置きます。
  2. 鼻から4秒ほど時間をかけて息を吸い込み、おへそのあたりが膨らんでいることを確認します。
  3. 口をすぼめて、お腹の力を抜いて8秒ほど時間をかけて、息を吐きましょう。

また、姿勢を改善することも重要です。背筋をしっかり伸ばして、力を入れすぎない姿勢を心がけましょう。

2つ目の課題は、「音がかすれる」ことです。

音がかすれてしまう場合は、アンブシュアを見直しましょう。アンブシュアはフルートを吹くときの口の形で、安定していないと息の流れが不安定になり、音がかすれる原因になります。アンブシュアが安定しない場合の対策は、以下の表の通りです。

問題点対策
唇の締め具合が不安定軽くリラックスした状態で唇を保つ
唇の位置がズレている鏡で唇の位置を確認し、適切に調整する
アパチュア(息の通り道)が広すぎるアパチュア(息の通り道)を狭くして、息が散らばらないようにする

3つ目のよくある課題は、「音程がズレる」ことです。フルートの音程がズレてしまう原因と対策は、以下の表の通りです。

問題点対策
楽器の温度・フルートが温まっている場合は、頭部管を抜きながら調整する・フルートが冷えている場合は、頭部管を入れながらの調整と、唄口を口で塞ぎ温かい息を送りながら楽器を少し温める
頭部管の向き・胴部管との角度のバランスをしっかり確認する・汗や皮脂、リッププレートを拭くことで滑りづらくする

また、フルートはピアノのように一つひとつの音を調律できないため、すべての音が無条件で同じ音程になることはありません。基本的には、音が高くなるにつれて音程が上がりやすくなると考えられていますが、特定の音だけがズレてしまう場合もあります。

特定の音だけがズレてしまう場合は、チューナーを使用して音程の傾向を確かめましょう。最初は難しいかもしれませんが、少しずつ耳が慣れてきて、チューナーを使用しなくても音程が分かるようになるはずです。

自分の課題が、上記のどれに当てはまるのかをしっかり見極めて、課題に合った練習を行うことが重要です。

短時間でできるロングトーンおすすめ練習法

最後に、短時間でできるおすすめの練習方法を紹介します。

1つ目は、5分でできる方法です。5分でロングトーンの練習を行う場合は、一つの音をひたすら鳴らし続けましょう。むやみに音を出すのではなく、音程が合っているか確認するためにチューナーを使用することが大切です。

2つ目は、10分でできる練習方法です。10分でロングトーンをする場合は、少しずつ音階を広げながら、全音域で練習しましょう。「ただ吹く」だけではなく、安定して音を鳴らせているかを意識することが重要です。スマートフォンで練習の音を録音して、確認しながらの練習がおすすめです。

プロに直接見てもらうことで上達のスピードを上げよう

フルートの演奏を上達させるためには、ロングトーンの練習が不可欠です。ロングトーンを練習することで息の持ちが良くなり、音程が安定しやすくなります。フルートでロングトーンを正しく行うためには、姿勢や構え方、息の吸い方・吐き方などを理解しておく必要があります。独学でフルートを練習することも良いですが、音楽教室に通って教えてもらうことも上達への近道です。

GIFT MUSIC SCHOOLでは、実際に活躍しているプロの音楽家が1on1でレッスンをします。プロが目の前で見本を見せながら教えてくれるため、何ができていて何ができていないのかが分かります。また、どのように改善していけば良いかを言葉で説明するため、圧倒的に上達スピードが上がるでしょう。

GIFT MUSIC SCHOOLでは、体験レッスンも行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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