「フルートのメンテナンスが正しく行えているか今さらながら不安」「リペアマンに調整をお願いする頻度を知りたい」このような悩みはありませんか?
フルートで良い音が出ない場合、自分の演奏技術にばかり目が行きがちですが、実は楽器のメンテナンス不良によって良い音がしない、ということも少なくありません。
そこでこの記事では、吹奏楽CDのレコーディング30枚以上に携わった著者が、フルートのメンテナンス方法について、自分が行える簡単なメンテナンスから、プロにお願いすべきメンテナンスまで詳しく解説していきます。
この記事を読めばフルートのメンテナンスに関する情報を網羅することができます。
ぜひ最後までお読みください。
フルートで日常的に行うべきメンテナンス
まずはフルートで日常的に行うべきメンテナンスの方法について解説します。
初心者から上級者まで、レベルを問わず全てのフルート奏者が必ず知っておきたい内容です。
フルートの演奏後に毎回行うべきメンテナンス
フルートを演奏すると、冷えた管が温められ、内部に結露が発生し管内に水分が残ります。
この水分を放置してしまうと、タンポの劣化が速くなるなどの悪影響が及んでしまいますので、必ず演奏後は水分を除去するようにしましょう。
フルートの水分をとるためには、専用の「クリーニングロッド」にガーゼを巻いて、管内を通すようにします。
管を分解し、ガーゼを巻いた方向に、ゆっくり回しながらそれぞれの管の水分を取り除いていきます。
また、タンポにも水分が付着していることがありますので、「パッドガード」を使って水分を除去します。
水分を除去するためのクリーニングペーパーも発売されていますが、こちらのパッドドライヤーはこれ1枚で数年以上使うことができるので、著者はこちらを愛用しています。
最後に楽器表面のメンテナンスについてお話しします。
演奏後は、ポリシングクロスを使って楽器表面を磨いておくようにしましょう。
特にジョイント部分は汚れが溜まりやすいので、必ず磨くようにしてください。
歌口の汚れは、クロスよりも綿棒を使った方がきれいになります。
楽器を磨くにあたりよく質問をいただくのは、「シルバーポリッシュを使ってもいいのか?」という内容です。
結論を言うと、基本的に使用することはおすすめしません。
なぜならシルバーポリッシュには研磨剤が含まれているため、薄くではありますが管の表面を削っていることになるからです。
確かにきれいにはなるかもしれませんが、1度削ってしまった銀やメッキは元に戻すことはできませんし、メカニズムに入ってしまってはいけないため取り扱いが難しい、変色しやすくなるなど、デメリットは数多くあります。
ちなみに「シルバークロス」も研磨剤が含まれているクロスですので、シルバーポリッシュ同様に使用は控えるようにしてください。
不具合が起きたときに自分でできるメンテナンス
自分でできる不具合の調整として、主にできることは「タンポのべたつきの除去」です。
タンポがべたついて、上手く動作しないときはこちらのパッド・ガードをタンポの革部分に少量塗ると改善します。
同様の機能を有する商品としてパウダーペーパーがありますが、粉がタンポに付着してしまうというデメリットを感じるため、著者はこちらのパッドガードを愛用しています。
またキーノイズがする場合、キーオイルをご自身で塗られる方がいらっしゃいますが、これはおすすめしません。
キーオイルは普通に販売されており、フルート奏者であれば誰でも簡単に手に入れることはできるのですが、キーオイルを刺すには専門的な技術が必要で、難易度の高い行為です。
基本的には専門のリペアマンにお任せする方が無難で、著者も自分でキーオイルを刺すことは行っていません。(そのためキーオイル自体も所持していません。)
フルートのメンテナンス~リペアマンにお願いする場合
フルートも含めた楽器全般は、定期的にプロのリペアマンにお願いしてメンテナンスを行ってもらう必要があります。
リペアマンにお願いして楽器を見てもらうのは、楽器が故障したときだけだとは思っていませんか?
これは完全な誤解です。楽器は故障していなくても、定期的にリペアマンのメンテナンス(調整)を行ってもらうことで、良い状態を保つことができます。
フルートの定期調整はなぜ必要?
フルートの状態は、日々少しずつ変化していきます。
長時間吹いていれば想像しやすいかもしれませんが、実は全く吹いていないフルートであっても、状態は変化していきます。
状態変化が起こるのは主にタンポです。
演奏や外気の湿度によって、タンポが水分を含み状態が刻々と変化していくことになります。
リペアマンによる調整とは、「楽器をより良い状態に修正してもらう・吹きやすい状態にしてもらう」ということです。
取れてしまったタンポをつけてもらったり、楽器のひび割れを直してもらったりする「修理」とは明確に異なります。
調整をおこたってしまうと、音の反応が良くなくなる、タンポが塞がっているように見えて実は塞がっておらず低音が出しにくいなど、明確に演奏に影響が出てきてしまいます。
そうなってしまうと、無駄に強くキーを押さえないと音が出にくくなるなど、力みに繋がりやすく、演奏しにくくなります。
リペアマンに調整をお願いする頻度
プロの演奏家は2ヶ月~3ヶ月に1度程度、リペアマンに調整をお願いしている方が多いようです。
演奏する頻度などにもよって変わってきますが、理想的には半年に1度、長くても1年に1度程度はリペアマンによる調整をお願いした方が良いと思います。
定期的に、短いスパンで調整に出せば出すほど、調整にかかる納期は短くなりますし、1回あたりの料金が安くなる傾向があります。
このような症状が出てきたら、リペアマンに相談してみるタイミングです。
- 音(特に低音域)が出しにくい
- キーノイズが大きくて気になる
ただし、新しいフルートを購入したばかりのタイミングでは、楽器がまだ安定していない状態なので、数ヶ月に1回は調整に出す方が良いでしょう。
多くの楽器店が購入時から1年程度は無料メンテナンスの期間を設定していますので、積極的に利用してください。
リペアマンの技量
一言で「調整」といっても、リペアマンのスキルによって、仕上がってくる楽器の出来には大きな差があります。
正直なところ、腕が悪いリペアマンに当たってしまうと、仕上がりがあまり良くなかったり、調整してもすぐに狂ってしまったりするなど影響が出てしまいます。
フルートのメンテンスをお願いするのであれば、「管楽器修理工房Claro」はおすすめです。
料金や納期の相場も掲載されていますので、こちらの記事をご覧になってみてください。
>フルートとピッコロの修理(リペア)なら管楽器修理工房Claro
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