「クラリネットのアンブシュアの作り方が分からない」「長い時間吹いていると疲れてきてしまう」このような悩みはありませんか?
実はクラリネットのアンブシュアには、正しい作り方が明確に存在します。
正しいアンブシュアの作り方を学ぶことで、演奏は劇的に向上していきます。
そこでこの記事では、吹奏楽CDのレコーディング30枚以上に携わった著者が、クラリネットのアンブシュアの作り方について、詳しく解説していきます。
この記事を読めば、正しいクラリネットのアンブシュアの作り方を知ることができ、演奏レベルが格段に上がりますので、ぜひ最後までお読みください。
クラリネットのアンブシュアの作り方
「アンブシュア」とは、クラリネットなどの管楽器を演奏するときの口の形のことを言います。
アンブシュアを正しくセットすることで、より良い音を奏でることができるようになります。
それでは具体的にクラリネットのアンブシュアを作る手順を見ていきましょう。
手順① 下唇を巻く
まずは下唇を巻き、下の歯の上に下唇をかぶせるようにします。
これはリードに下の歯が触れないようにするための対策です。下の歯がリードに直接当たってしまうとリードを傷つけてしまいます。
下唇は巻き過ぎないのもポイントです。下の歯がリードに触れないようにするくらいで十分です。
唇の赤い、柔らかい部分とリードが触れるようにしましょう。巻き過ぎてしまうと、唇の下の硬い部分がリードに触れることになってしまいます。
手順② マウスピースをくわえる
次にマウスピースをくわえます。
まず下唇を巻いたまま、口を半開きにした状態を作り、そこにマウスピースを差し込みます。
上の歯はマウスピースに当てます。下の歯は上の歯と同じくらいの深さになるように調整しましょう。
口をどの程度開くかによって、マウスピースをくわえる深さが変わってきます。
マウスピースをくわえる深さによって、音が変わりますので、どのくらいの深さでくわえるのが丁度いいのか、研究してみてください。
一般的にくわえ方が浅すぎると音量が小さくなりがちで、深すぎると音が開き、リードミスが出やすくなります。
また、マウスピースをくわえるときに注意したいのが、クラリネットをくわえに行くように、顔を動かさない、ということです。
顔は正面を向いたまま、首を曲げたりはしません。
首を曲げてしまうと、息の通りが悪くなってしまいます。
右手親指で持ち上げて、顔の前までマウスピースが来るように持ち上げましょう。
ストラップを使っている方は、ストラップが長くなりすぎないように、慎重に長さをセットします。
手順③ 笑ったときのようと同じ筋肉を使う
笑った時のように頬(ほお)を上げ、顎(あご)にくぼみをつくります。
この状態で演奏することが大切です。
クラリネットを演奏するときは、細く速い息を楽器に送り込む必要があります。
そのためには口の中が狭い方が有利になってきます。
笑ったような状態の筋肉の形を作ることで、口の中が狭くなりますのでおすすめです。
ただし、口を横に引きすぎないように注意しましょう。
横に引き過ぎてしまうと、力みの原因となってしまいます。
手順④ 口を閉じる
口を閉じる際に重要になってくるのは、マウスピースを口周りの筋肉で、しっかりと包み込むことです。
口周りの筋肉は、普段から日常的に使う筋肉ではないので、慣れるまでは難しいかと思います。
顎を使ってマウスピースを噛んでしまった方が楽に感じるかもしれませんが、それはやめましょう。
顎の筋肉は非常に強く、リードの振動を妨げてしまいます。
クラリネットはリードの振動で音を奏でているので、このリードの振動を妨げてしまうと良い音がでません。
また、頬を膨らませないようにも注意してください。頬を膨らませると、前述したように細く速い息を出すことが難しくなります。
アンブシュアのよくあるお悩みについて
ここからはクラリネットのアンブシュアについて、よく聞かれる悩みについて回答していきたいと思います。
顎が梅干しのような形になってしまう
顎を膨らませたり、丸めたりして、梅干しのようなしわができる状態ではよくありません。音色がかなりぼやけてしまいます。
頑張ってマウスピースをくわえようとすると、この梅干しのような顎になってしまいがちです。
この顎が梅干しのような形になるのを避けるには、下顎を下に引っ張るつもりで、ピンと張るように演奏すると改善されます。
ほんの少しだけ、下顎を前に出すつもりで演奏すると上手くいくかもしれません。
前述した笑ったときと同じ筋肉を使い、口角を上げることによってもこの梅干しのような顎は直ります。
息が漏れてしまう
息が口の両端から漏れてしまう、というのもよく聞く悩みの1つです。
息が漏れてしまうと、漏れた分の息がロスとなってしまいますので、なるべく避けるようにしたいところですよね。
息漏れの対策としては、両サイドの唇の赤い部分を口の中にしまう意識で演奏すると良いです。
またそれ以外にも口周りの筋力が足りていない可能性もあります。
ロングトーンなどを行い、口周りの筋肉を徐々につけていく練習も忘れずに行ってください。
マウスピースを噛み過ぎてしまう
前述した通り、顎の筋肉は非常に強く、リードの振動を妨げてしまいます。
クラリネットはリードの振動で音を奏でているので、このリードの振動を妨げてしまうと良い音がでません。
対処法としては、口周りの筋肉をしっかり締めることを意識してみてください。
顎の筋肉と違って、口周りの筋肉はそこまで力は入らないので、いくら力を入れても基本的には大丈夫です。
吹き続けるとアンブシュアが疲れてしまう・崩れてしまう
吹き続けるとアンブシュアが疲れてしまったり、崩れてしまったりする方の原因は主に2つあります。
1つは、クラリネットを吹く筋力が身についていないということです。
これはクラリネットを始めたばかりの初心者の方や、長期のブランクがあって久しぶりにクラリネットを吹かれる方がこれに当たります。
この場合、時間はかかりますが、ロングトーンなどの練習を使って、じっくりと筋力を育てていくことが大切になります。
吹き続けていれば、必ず筋力はついてきますので、根気よく練習していってください。
もう1つの原因は、クラリネットを吹く際に過度な筋力を使ってしまっているということです。
確かにある程度の筋力は、クラリネットを吹くうえで必要になってきますが、筋肉の使い過ぎは疲労の原因となります。
ここまでの解説で、アンブシュアを作るために様々な筋肉を使いましたが、やり過ぎは禁物です。
ある程度、無理なく音が出るようになってきたら、力まず楽に演奏する方向にシフトするように工夫してみてください。
理想のアンブシュアとは
ここまでアンブシュアの基本について解説してきましたが、ここから先は自分でより良いアンブシュアを探していく必要があります。
当然ですが、奏者1人1人、骨格が違いますし、出したい音のイメージも十人十色です。
そのため、アンブシュアの考え方は奏者の数だけある、とも言えます。
プロや先生のアンブシュアを真似たからといって、あなたにとっての良い音が出るとは限りません。
ぜひ今回の記事を参考にしながら、自分が良いと思えるアンブシュアを探してみてくださいね。
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正しいアンブシュアを身につけても、やはりグレードの高い楽器で演奏した方が良い音は出しやすいもの。
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