「より良いクラリネットの音色を目指したい」「バンドレンのマウスピースの評判がいいけど、どのマウスピースを使うべきかが分からない」このようなお悩みはありませんか?
実はマウスピースは、楽器本体以上に音色や演奏に与える影響が大きい重要なアイテムです。
そこでこの記事では、吹奏楽CDのレコーディング30枚以上に携わった著者が、クラリネットのマウスピース、特に人気の高いバンドレンのマウスピースについて詳しく解説していきます。
この記事を読めば、あなたに合ったマウスピースを選ぶことができ、より自分のイメージに近い音色を出すことができるようになるはずです。
ぜひ最後までお読みください。
クラリネットのマウスピース事情
他の管楽器と比較して、クラリネットのマウスピース事情はやや特殊です。
それは多くのプロが、楽器を作っているメーカーのマウスピースを使用せず、マウスピース専用メーカーが作ったマウスピースを使用しているという事情です。
クラリネットのマウスピース専用メーカーで、最も人気が高いのがフランスの「バンドレン社」です。
つまりクラリネットの中で最も人気のあるメーカーは、バンドレン社のものとなります。
クランポン・セルマー・ヤマハなど、クラリネット本体は優秀なメーカーはありますが、マウスピースの人気は圧倒的にバンドレン社です。
楽器付属のマウスピースで最も需要があると思われる「ヤマハ4C」は、確かに吹きやすさだけを考えればありですが、音色に物足りなさを感じる、という感想が多いです。
そこで今回はバンドレン社のマウスピースの特徴を比較していこうと思います。
具体的なマウスピースの特徴を比較
それではバンドレンのマウスピースのそれぞれの特徴を解説していきます。
同じメーカーで合っても、それぞれのマウスピースに特徴がありますので、自分の好みを考えながら読んでみてください。
5RVライヤー

初心者に特におすすめできるバンドレンの定番マウスピースです。
ただ初心者向けに作られたマウスピース、というわけではなく中上級者もしっかりと吹け、プロでも使用されるマウスピースでもあります。
RVというのは”ロベール・バンドーレン”の略で、まずこの5RVライヤーの原型である5RVというマウスピースが作られました。
5RVも人気のあるマウスピースでしたが、もう少し音にふくよかさが欲しいと、クラリネットの名手ジャック・ランスロ氏がアドバイスをして生まれたのがこの5RVライヤーです。
華やかで明るい音色と軽めの吹奏感で息が通りやすいのが特徴となっています。
少し重めのリードを合わせると、重厚感が出せるのでプロや中上級者にも人気のあるモデルです。
またマウスピース自体が息をまとめてくれて、スリムな音色で輪郭がはっきり目になります。
このマウスピースが初心者におすすめのポイントはまず操作性の良さです。
他のバンドレンマウスピースと比較して、抵抗感が軽めなため、そもそも音自体が出しやすいです。
そしてマウスピース自体が良い吹き方を求めてくるのも特徴となります。
良い吹き方で吹かないと、このマウスピースでは良い音はしません。悪く言えば非常にシビアなマウスピースです。
良い吹き方を学べるという意味でも、初心者向けのマウスピースと言えます。
M30・M30ライヤー

こちらも5RVライヤーに次いで、初心者に人気のあるマウスピースとなります。
5RVライヤーの明るい音とふくよかな音色をバランスよく持ったマウスピースで高い人気を誇ります。
音のまとまりやすさと、高音から低音まで息が入りやすく、楽に吹ける感覚が初心者にもおすすめできるポイントです。
丸い音が出るので、音色が暴れてしまう方は1度試してみると良いかもしれません。
その反面、マウスピースの個性が強く、奏者の個性が出しにくいとも言えます。
M30の後継機であるM30ライヤーはさらに息が入りやすく、M30よりも明るめの音色となっている点が特徴です。

B40

クラリネットのマウスピースの中で、最もユーザーが多いうちの1本とされるのがこのB40です。
息がたくさん入るのが特徴ですが、逆に息がたくさん必要とも言えます。
重めの吹奏感ではあるので、初心者には取り扱いが難しいかもしれません。
柔らかい響きがあり、倍音豊かで太くまろやかで深みのある音色が手に入ります。
響きが豊かで柔らかい、まさに王道のクラリネットらしい音色感があります。
この音色感を好み、B40を選ぶ奏者は多くいるのが実態です。
速い曲を演奏しても、響きの太さがあるので非常に聴きやすい印象があります。
B40ライヤー

先ほど紹介したB40の後継機となります。
B40の柔らかくふくよかな音色は引き継ぎつつも、B40と比較して開きが狭い分、息が入りすぎなく扱いやすいマウスピースです。
そのため音がまとまりやすく、やや硬質で輪郭は作りやすいという特徴があります。
5RVライヤーよりは重めのマウスピースではありますが、リードを軽めにすれば初心者にもおすすめ。
音色の深さも持ちつつ、明るさも持ち合わせたバランスの良い、万能なマウスピースと言えます。
BD5・BD4

バンドレン社の中では比較的最新のモデルで、(2015年発売)ダークで深みのある音色を志向した1本となっています。
吹き心地は軽く、鳴りの良く深みのある音色にしやすい点が特徴です。
また低音から高音までの鳴りムラが少なく、一定の音色を保ってくれ、すっきりと音が並びます。
反応も良く幅広い強弱も可能、さすが最新モデルということもあり、機能性は高いです。
一方でニュートラルな音に寄りがちなので、クラリネットに味わい深さを求める奏者には向かないかもしれません。
そしてBD系の新モデルとして発売されたのがBD4です。(2019年発売)

BD5の良さは残しつつ、開きが少し広くなったため、やや柔らかめのリードが合うような設計となっています。
その結果、柔らかさや豊かさをより感じられるようになりました。
マウスピース選びの注意点
ここまでバンドレンのおすすめマウスピースを紹介してきました。
価格帯でも比較してほしいため、あえて販売ページを掲載しましたが、可能であれば楽器店で選定して選ぶようにしましょう。
なぜならマウスピースは同じモデルであっても、個体差が大きくあるからです。
私の経験上、マウスピースの選定で守ってほしい1つのルールがあります。
それは「良い音を出そうとしないこと」です。
そのマウスピースで良い音を出そうとすれば、良い音が出るかもしれません。
でもそれは奏法を道具に合わせてしまってることに他なりません。
自分の吹き方を貫いて、良い音がするマウスピースを探すようにしてみましょう。
自分に合ったマウスピースをより上級モデルの楽器で吹こう!

自分に合うマウスピースで演奏することでより良い音を手に入れることができますが、やはりグレードの高い楽器で演奏した方がさらに良い音が奏でられるもの。
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