「フルートの音色が良くならない。」「どのような練習をしていけばフルートの音色は良くなる？」このような悩みはありませんか？
いくらフルートを長時間練習していても、正しい方法で努力をしないと一向に音色は良くなりません。
そこでこの記事では、吹奏楽CDのレコーディング30枚以上に携わった著者が、フルートの音色改善方法について詳しく解説していきます。
この記事を読めば、あなたのフルートの音色改善のヒントを得ることができます。
ぜひ最後までお読みください。
【大前提】そもそも良いフルートの音色とは？
良い音をイメージすることの重要性
フルートの良い音色というものを、あなたは明確にイメージできていますか？
実はレッスンをしていると、良い音を明確にイメージできていない方が結構多いんです。
フルートを吹くことは大好きだけど、フルートや他の音楽を聴くのはそこまで好きではなく聴いていない、という方に特に多い傾向があります。
そもそも良い音がどのような音か分からないのに、良い音を出そうとするのは無理があります。
イメージできない音は、どんなに技術を磨いても出すことはできません。
イメージ力を磨くには、良い音楽を聴くのが1番の近道です。
できればフルートだけではなく、他の管楽器・弦楽器・ピアノ・声楽なども併せて聴けるとなお良いでしょう。
しっかりと聴くのが理想ではありますが、音楽を流している状態だけであっても問題ありません。
英語を流し聞きしていると発音が良くなってくるのと同じで、確実にイメージ力は上がってきます。
著者は移動中や作業中などに、積極的に音楽を流すようにしています。
メロディやフレーズによって良い音は無数にある
「唯一無二の良い音が存在する」とは考えていませんか？
実はこの考え方は誤解です。
なぜなら、演奏する曲やメロディ、フレーズによって使うべき音色が変わるからです。
例えば華やかで響きの豊かな音色であっても、短調で書かれた悲しい曲を、華やかな音色で演奏しても、雰囲気が合わず曲の魅力を引き出せません。
雰囲気にあった、適切な音色を選ぶよう意識してみてください。
フルートで良い音色を出すうえでの息づかいと呼吸法
フルートで良い音を出そうとするときの呼吸法・息づかいは、「吹く」ことを意識しすぎては上手くいかないことが多いです。
（「吹く」ではなく「吐く」と意識した方が良いとおっしゃるフルート奏者もいます。）
この説明だけではピンときませんよね、順番に解説していきます。
試しに腹式呼吸をして、息を深く吸ってみてから、脱力をしてみてください。
しっかりと息を深く吸えていれば（＝横隔膜がしっかりと下がっていれば）、身体の外に勝手に息が出ていきます。（吸いが浅いとこの状態にはなりません。）
この形で身体の外に出る息を使うメリットは、脱力した状態で演奏できるという点です。
息はしっかり吸う必要はありますが、その後は脱力しているだけなので、アンブシュアなどで力む心配はありません。
ただしこの呼吸法のデメリットは、脱力だけすると一気に身体の外に全ての息が吐きだされてしまうために、長いフレーズが吹けなくなってしまう、ということです。
それを防ぐために横隔膜を使います。
息を吐くと横隔膜が上がる（戻る）のですが、横隔膜が一気に上がりきらないよう、お腹で我慢するようにしてみてください。（これを俗に言う「お腹で支える」という奏法だと筆者は考えています。）
お腹で横隔膜が上がるのを我慢できると、息が身体の外に出る量やスピードをコントロールできるようになってきます。
息のスピードをコントロールすることで、ダイナミクスの差や音色差を出すことができるようになりますので、ぜひ試してみてください。
一般的にフルート奏者で音色に悩まれている方は、息のスピードが速すぎる方が多い印象があります。
ロウソクの火を吹き消すイメージよりも、ため息をつくような温かい息で演奏する方が、良い音色に辿りつきやすいはずです。
なお、ため息のようなゆっくりした息を出すには、口の中の空間が広い状態の方が出しやすくなります。
しかし、矛盾するようですが高音を出すにはある程度の息のスピードが必要です。
高音を吹く際は、口の中は広いまま、お腹を使って息のスピードを上げて演奏します。
フルートの音色を良くするための練習方法
ロングトーン
ロングトーンは1つの音をまっすぐ伸ばすというシンプルな練習であるがゆえ、自分の奏法に意識を向けるには非常に良い練習となります。
一方で曲やエチュードでは、指使いやリズムなど気にするべき項目が多岐にわたるため、奏法について考える余裕がありません。
ロングトーンに取り組むコツは、「変化」と「反復」をはっきり意識することです。
出ている音が気に入らない音色なのに、奏法を何も変化させずに、ただ反復練習をしてしまうと、当たり前ですが一向に音色は良くなりません。
自分の思った音色が出ていない場合は、思い切ってアンブシュアや息の入れ方などの奏法を積極的に変化させてみましょう。
上手くいかなければ元に戻せばいいだけなので、遊び感覚で色々な奏法を試してみてください。
奏法を変化させて、従来よりも良い音色が手に入ったら、初めて反復練習に入ります。
変化させた奏法を無意識で行えるまで、反復練習で鍛えます。
無意識でも変化後の奏法ができるようになれば、奏者としてレベルが1つ上がったことになるでしょう。
フルートのロングトーン練習に関しては、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひお読みになってください。
＞フルートでロングトーンを正しく行う方法は？得られる効果やおすすめの練習法を徹底解説！
エチュード「ソノリテについて」を使用する
ポチップ
こちらのエチュードは1つレベルが上がり、テーマは「音の均一性」です。
ロングトーンのように同じ音で伸ばした場合ももちろんですが、音が変わった場合であっても音の響きが変わらないように、均一な響きであることを目標としています。
いくら単体の音がきれいな音色であったとしても、音域によって音色感がバラバラではレガートを美しく演奏することはできません。
ただ演奏をするだけであれば難しくないかもしれませんが、細心の注意をはらって自分の音を聴き、自分に高いハードルを課して取り組めば、非常に有効に使うことができるエチュードです。
ノンタンギングで立ち上がり、息づかいを確認する
音を立ち上がる際に、タンギングを使わず「Fu」の発音で立ち上がってみてください。
そこで上手くいかない（音が外れる・音が出ない・良い音が鳴らない等）場合、息づかい（息の量・息の速度・息の方向）が適切でない可能性が非常に高いです。
息の量・息の速度・息の方向を様々なパターンで試してみて、思い通りに音が出る息づかいを研究してみてください。
より良い音色をより上位モデルの楽器で奏でてみませんか？
良い音色が出る奏法や息づかいを身につけても、やはりグレードの高い楽器で演奏した方が良い音は出しやすいもの。
楽器のグレードを上げて、より充実した音楽ライフを送ってみませんか？
新品の楽器は手が出ない、という方であっても、「服部管楽器」であれば中古楽器も多数取り揃えています！
フルートを専門にしているスタッフが、あなたの楽器選びを1から丁寧にサポートします。
下のボタンから、ぜひお気軽にお問合せくださいね♪
