【サックスの種類】特徴・難易度などを徹底解説

「サックスにはどのような種類があるのか知りたい」「自分がどのサックスに向いているのかを考えてみたい」このような悩みはありませんか?

実はサックスには、吹奏楽やアンサンブルでよく使われるサックス(ソプラノ・アルト・テナー・バリトン)以外にもバリエーションが存在します。

そこでこの記事では、サックス歴20年以上の著者が、サックスの種類について改めて解説します。

この記事を読めば、サックスに対する理解が深まるとともに、自分が演奏したい種類のサックスを見つけるためのヒントを得ることができます。

ぜひ最後までお読みください。

サックスの種類

発明当時、サックスは14種類あると言われていました。

現行のE♭管・B♭管に加え、今ではほとんど見かけることのないF管・C管のサックスも作られていたからです。

サックスが登場するオーケストラ曲として有名なラヴェル作曲の「ボレロ」では、F管ソプラニーノサックス指定で楽譜に書かれています。(今はB♭管ソプラノサックスで演奏されることがほとんどです。)

今は下記の6種類のサックスが、一般的に使用されています。

この6種類のサックスについて、詳しく解説していきます。

アルトサックス

いわゆる「サックス」と言えばこのアルトサックスを指すことが多いです。

中高音域を奏で、女性の声のようと言われています。

安定感があり、柔らかい音から力強い音まで様々な音色を取り扱うことができます。

また操作性がサックスのなかで最も優れているため、初心者でも扱いやすいサックスです。

そのため最初の1本にはアルトサックスを選ぶ方が多くいらっしゃいます。

クラシックのソロのレパートリーは、ほとんどがこのアルトサックスのために書かれたもので、音楽大学の入試や試験はアルトサックスで行われることが圧倒的に多いです。

(音楽大学において、ソプラノ・テナー・バリトンはアンサンブルや吹奏楽などで必要に応じて持ち替える程度。)

ジャズ・ポップスの世界でもテナーサックスと並び、人気の高い楽器で、渡辺貞夫さん、ユッコ・ミラーさんが主に演奏しているのはこのアルトサックスです。

テナーサックス

色気のある音色で、ジャズではメインで使用する楽器として知られるテナーサックス。

ジョン・コルトレーンやソニー・ロリンズなど、テナーサックスを使ったジャズの巨匠は数多く存在します。

中低音域を担当し、男性の声のようなサウンドがします。

豪快なサウンドから、渋いサブトーンまで、幅広い音色が魅力です。

アルトサックスに次いで、安定感があり、演奏しやすい楽器ですので、テナーサックスからサックスを始めるという方もいらっしゃいます。

クラシックの楽曲は多くありませんが、吹奏楽では対旋律など活躍の舞台は多くあります。

映画「ブルージャイアント」で使用していたサックスはこのテナーサックスになります。

ソプラノサックス

甘美で独特なサウンドが魅力のソプラノサックス。

音域はテナーサックスの1オクターブ上を担当します。

アルト・テナーのようにU字型の楽器も一部ありますが、基本的には直管の楽器が多くを占めています。

演奏は息のスピードを駆使しなければならない点、少しの奏法の変化で大きく音程が乱れてしまう点などから、演奏難易度は高めの楽器です。

吹奏楽では一部の大編成を除いて、ソプラノサックスが活躍する機会はありませんが、サックスアンサンブルの花形として君臨しています。

ジャズの世界ではケニーGが有名で、この甘美な独特なサウンドを使い、世界的なベストセラーを叩き出しました。

バリトンサックス

アルトサックスの1オクターブ下の音域を持ち、ベースラインの要として、吹奏楽やビッグバンドジャズでは欠かすことのできない楽器としての地位を有しています。

ベースラインを担当することの多い楽器ではありますが、アンサンブルなどでは機敏な動きを見せることも。

パワフルで力強いサウンドも、深く柔らかい音色も出すことができる楽器です。

クラシックでもジャズでも、ベースラインとしてではなく、ソロ楽器として、バリトンサックスをフューチャーするケースも増えてきています。

ソプラニーノサックス

アルトサックスの1オクターブ上の音域を担当します。

編成上、サックスオーケストラ以外ではほとんど見かけることはありませんが、一部のクラシック奏者やジャズ奏者がソロ楽器として好んで使用しているのを見かけました。

かなりの息のスピードやコントロールが必要となるため、非常に高い技術が演奏には必要になります。

数年サックスを勉強しても、最高音を出すことさえ難しいレベルの楽器です。

バスサックス

テナーサックスの1オクターブ下を担当しますが、あまり使用する機会はありません。

ごくごく一部の吹奏楽大編成の楽曲や、サックスオーケストラなどで活躍の機会があります。

大量の息が必要で、演奏難易度は高い楽器となります。

楽器自体も手に入れるのが非常に難しく、楽器店には在庫がなく、受注生産となることがほとんどです。

最初に開発されたサックスは、このバスサックスと言われています。

以前CMで、さかなくんが演奏したことで話題となりました。

サックスの種類(番外編)

一般的に使われているサックス6種類以外にも、サックスは存在します。

ここでは普段は見る機会のないサックスについて、番外編として紹介します。

ソプリロ

ソプリロは、ソプラノサックスの1オクターブ上を演奏する超高音域のサックスです。

ドイツのミュンヘンにある、高音域と低音域の特殊木管楽器製造に特化した楽器工房、ベネディクト・エッペルスハイム社によって発売されている楽器です。

「ピッコロ・サックス」とも呼ばれています。

演奏はソプラニーノサックス以上に難しく、タイトなアンブシュアが必要になり、超一流のプレーヤーしか演奏不可能な楽器とも言えます。

さらに通常の運指を使うと音程が合わないので、ソプリロ奏者がそれぞれの奏法に合う運指を探して使用します。

コントラバスサックス

コントラバスサックスは、バリトンサックスの1オクターブ下を演奏する楽器です。

チューバックスとも呼ばれています。

日本にも数台しかなく、博物館で見るような楽器なので、当然、通常の編成で演奏されることはまずありません。

(著者自身もコントラバスサックスの本物は見たことがありません…)

楽器が大きすぎるため、スタンドに置いたまま演奏します。

主要ブランドが発売するサックスの種類

サックス御三家

サックスの御三家と言われる(セルマー・ヤマハ・ヤナギサワ)はどのような楽器を販売しているのか見てみましょう。

セルマー

ソプラノ・アルト・テナー・バリトンはもちろん、古くからソプラニーノ・バスの開発も行われてきました。

古くからあるソプラニーノ・バスはセルマー社製ということが多いのではないでしょうか。

ヤマハ

ヤマハが販売しているサックスは、ソプラノ・アルト・テナー・バリトンのみです。

サックス以外にも数多くの楽器を開発を手掛けているため、ソプラニーノ・バスまで開発するのは難しいかもしれません。

ヤナギサワ

ソプラノ・アルト・テナー・バリトンの他、完全受注生産でソプラニーノサックスも取り扱いがあります。

国産メーカーの中では古くからソプラニーノの制作を手掛けています。

その他のサックスメーカー

ソプラノ・アルト・テナー・バリトン以外のサックスを開発しているメーカーを見てみましょう。

WoodStone

ソプラニーノサックスを販売しています。

音程や操作性が抜群に良いと評判のソプラニーノサックスです。

人気のサックス奏者、上野耕平さんもWoodStoneのソプラニーノサックスを使用されています。

PLAYTECH ( プレイテック ) 

ソプラニーノサックス・バスサックスを販売しています。

比較的安価で購入することができる点が特徴です。

ベネディクト・エッペルスハイム社

ドイツのミュンヘンにある、高音域と低音域の特殊木管楽器製造に特化した楽器工房です。

ソプリロ・バスサックス・コントラバスサックスを販売しています。

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