部活動の地域展開や少子化など
吹奏楽部や吹奏楽団のメンバー不足により
大編成はおそか、小編成も組めない。
ビッグバンド編成も不可能。
アンサンブルがギリギリという場面がこれから多発することが考えられています。
そんな中でも
「より演奏の幅を広げたい!」
「音楽活動を充実させたい」
と考えるもなかなかアイデアが出ないもの。
本記事では、吹奏楽部出身でトランペット×アルトサックスのデュオとして活動するMiraHolic(ミラホリック)監修のもと、
限界少人数吹奏楽のアンサンブルのコツ、練習方法まで詳しく解説いたします。
- トランペット×アルトサックスの相性や特徴
- 異なる管楽器でのアンサンブルにおけるメリットデメリット
- 異なる管楽器でのアンサンブルにおける練習法とおすすめの曲
トランペット×アルトサックスのデュオなら
ミラホリックをチェック
新時代のアンサンブルとは?
吹奏楽部ならクラリネットアンサンブルやサックスアンサンブルなどになじみがありますよね。
ただ、中にはトランペットとサックスでアンサンブルしたい!
クラリネットとトロンボーンでデュエットしたいなどというニーズもありそうです。
異なる楽器の特性を活かすことで、豊かな音楽表現が可能になります。
本章では、それぞれの楽器の特徴や、アンサンブルとしての相性や魅力についてみていきましょう。
一例としてトランペットとアルトサックスで考えてみます!
トランペットとアルトサックスの特徴
比較項目 | トランペット | アルトサックス |
---|---|---|
楽器の種類 | 金管楽器 | 木管楽器 |
音色の種類 | ・力強く輝かしい ・華やかで存在感がある ・ミュートで表情が変化 | ・温かみのある柔らかな音色 ・歌うような音色 ・豊かな表現力 |
得意な音域 | 中音域~高音域 | 低音域~高音域 |
音域の特性 | 高音域で特に華やかさを発揮 | 中音域で歌うような音色が特徴的 |
得意なジャンル | クラシックジャズポップスなど | クラシックジャズポップスなど |
演奏の特徴 | ・存在感のある音色 ・音量のコントロールが重要 | ・多彩な演奏技法・幅広い音域をカバー ・繊細な表現が可能 ・柔軟な音色変化 |
トランペットは金管楽器の代表格として、力強く輝かしい音色が特徴です。
中音域から高音域にかけて伸びやかな音色を持ち、特に高音域では華やかで存在感のある音を奏でることができます。
演奏技法も多彩であり、ミュートを使用することで様々な表情を演出できます。
一方、アルトサックスは木管楽器でありながら金属製の管体を持ち、温かみのある柔らかな音色が魅力です。
低音域から高音域まで幅広い音域をカバーでき、表現力も豊かです。
特に中音域では歌うような音色が特徴的で、ジャズからクラシックまで幅広いジャンルで活躍します。
両楽器とも独奏楽器として高い人気を誇り、ソロ演奏はもちろん、さまざまなアンサンブルで重要な役割を担っています。
音域的にも重なる部分が多く、互いの特性を活かした演奏が可能です。
異なる管楽器のアンサンブルにおける相性と魅力
異なる管楽器同士の組み合わせは、非常に魅力的な相性であると言えます。
まず、音色の対比が大きな特徴です。
例えば金管楽器の明るく力強い音色と、木管楽器の柔らかく温かみのある音色が絶妙なコントラストを生み出します。
また、音域の重なりと違いを活かした編成の自由度も高いポイントです。
ただ、正直言いまして吹奏楽としてみたら
異なる楽器でのアンサンブルは現在では一般的ではないと考えられています。
異なる管楽器でのアンサンブルを行うメリット
異なる管楽器でのアンサンブルには、大きく2つのメリットがあります。
- 表現力の向上
- 演奏機会を得やすい少人数編成
具体的に解説します。
表現力の向上
異なる管楽器でのアンサンブルでは、それぞれの楽器が持つ特徴的な音色を活かし、表現力の向上が期待できます。
例えば金管楽器の明るく力強い音色は、曲の華やかさや力強さを表現するのに適しており、一方、木管楽器の温かみのある音色は、メロディーの柔らかさや感情的な表現を担います
この対照的な音色の組み合わせにより、1つの楽器では表現できない豊かな音楽世界が実現するのです。
また、限界少人数のアンサンブルとなると、演奏の力と同等にパフォーマンスの力が求められます。
例えば四人組アンサンブルチームのMOSはダンスを組み合わせて観客を魅了します。
演奏機会を得やすい少人数編成
人数アンサンブルの魅力は、演奏機会の多さにもあります。
大人数のアンサンブルと異なり、練習場所の確保が容易であり、音楽教室や自宅の一室など、場所を選ばずに練習が可能です。
また、スケジュール調整もメンバーだけで済むため、定期的に練習時間を確保しやすいでしょう。
実際の演奏機会も豊富であり、結婚式やパーティー、地域イベントなど、アンサンブルはさまざまな場面で演奏需要があります。
楽器の運搬や設営も簡単であり、どのような会場でも柔軟に対応できる機動力の高さも魅力であり、演奏活動を始める上では非常に取り組みやすく、継続的な活動がしやすいです。
異なる楽器でのアンサンブルを行うデメリット
異なる管楽器でのアンサンブルにはメリットがありますが、一方で課題や注意点もあります。
- 音量バランスの課題
- 音楽としての課題
- 楽譜や練習環境の課題
本章では二重奏による主なデメリットとその対処法を解説します。
音量バランスの調整が難しい
例えばトランペットなら金管楽器特有の力強い音量を持ちます。一方フルートなどの繊細な楽器ではそもそもの音量に差が出てしまいます。
さらに言うと少人数のアンサンブルでは音量がコンパクトになりすぎる可能性があります。
マイク&スピーカーを使って、音量をコントロールするのがオススメです!
演奏力だけでは越えられない壁がある場合、
機械や電気の力を利用するのも大切な技術です。
それは結果としてお客様の満足度を高めます。
音楽として成り立たせるのにコツがいる
音楽に必要な要素はリズム・ベース・ハーモニー・そしてメロディーです。
少人数かつ異なる管楽器のアンサンブルでは、必要なピースが揃っていません。
簡単にいうと、メロディとハーモニーしかない薄い演奏になってしまいます。
これでは音楽として極めて魅力のないものであり、音楽として成り立っていないことが多いです。
対策としては
バックミュージックとして音源を流すのがおすすめです!
伴奏音源に合わせてメロディとハーモニーを演奏することで
音楽としてバッチリ成り立たせることができます。
このような聞きごたえのある演奏になります。
楽譜の入手が限られる
異なる楽器用に編曲された楽譜は、他の一般的なアンサンブルと比較すると数が限られています。
そのため、演奏したい曲があっても既存の楽譜が見つからないことで悩む方も多くみられます。
MiraHolicの出版楽譜は全調の楽器に対応していますので、
どのような管楽器であってもデュオとして成り立たせることができます。
https://nakaharamizu.thebase.in/items/95964258
練習環境の確保に配慮が必要
吹奏楽ほどではないですが、防音設備の整った場所でないと練習が難しい場合があります。
自宅やアパートでの練習は近隣への配慮が必要で、練習時間や場所が制限されることがあります。
音量に関する課題に対しては以下のような対策が有効です▼
- 音楽スタジオの利用
- 防音室の確保
- ミュートの活用
- 練習時間帯の工夫
- 学校や公共施設の活用
近くの音楽スタジオを探しているという方は以下の記事も参考にしてみてください。
アンサンブルを上達させる練習法
豊かな表現力と高度なアンサンブル技術を身につけるためには、計画的な練習方法が重要です。以下のポイントを意識して練習に取り組みましょう。
基本の音出しからチューニングを丁寧に行う
アンサンブルの基礎となるのは、正確な音程とチューニングです。演奏前の基礎練習は、安定した演奏の土台となります。
まずは個々の楽器でのウォーミングアップを丁寧に行い、その後チューナーを使用して音程合わせを行いましょう。
特に重要なのがユニゾンでのロングトーン練習です。同じ音を出し合うことで、音程感覚を養うと同時に、音色の統一も図ることが可能です。
さらに、異なる音程での和音練習を加えることで、ハーモニーの基礎を身につけることにつながります。
メロディーのやりとりを意識した練習
メロディーのやりとりを通じて、音楽を通じた対話を成立させていきましょう。
まずは、メロディーを交互に演奏する練習から始めます。
次第に、一方が主役となってメロディーを演奏し、もう一方が音楽を支える伴奏を担当するなど、より変化のある演奏へと発展させていきます。
強弱の変化をつけながら、アイコンタクトでタイミングを図り、二人の息が合った演奏が実現できます。
音響の技術も最低限あったほうがいい
前述のように、少人数でことなる楽器だとマイクやスピーカーや音源を使うことが必須になります。
そうなるとマイクとスピーカーの設置をしないといけません。
高い物でなくてもかまいません。音源はコンパクトなブルートゥーススピーカーでも構わないのですが、
それだとマイクが接続できないことが多いです。
それならばいっそミキサーなどを使って音を出すことを念頭に置いてはいかがでしょうか。
一番大切なのは見せ方
演奏技術と同じくらい大事なのが、立ち振る舞いです。
身振り手振り、盛り上がる仕草、表情や司会のテクニック。
こういう一連の見せ方をステージングと言います。
どんなにかっこいい曲でもよい演奏でも、このステージングが悪いと平凡で退屈なものになってしまいます。
きちんと鏡で見ながら、自分の演奏の姿を確認し、
お客様に「何を伝えたいか」を体で表現することが大切です。
異なる管楽器のアンサンブルにおすすめの曲10選
演奏シーンや目的に応じて活用できる曲を、シチュエーションや難易度別にご紹介します。
どの曲で練習しようか悩んでいる方は以下の10曲を参考にしてみてください!
- アメイジング・グレイス
- 糸(中島みゆき)
- jupiter
- 情熱大陸
- ユーレイズミーアップ
- リベルタンゴ
- Let It Go
- 青と夏(Mrs.GREEN APPLE)
- 宝島(T-SQUARE)
- Take Five
初心者におすすめ
二重奏を始めたばかりの方には、テンポが落ち着いていて親しみやすいメロディーの曲がおすすめです。
基本的なアンサンブルの練習に適していて、かつ聴衆にも馴染みのある曲を選ぶことで、練習にも発表にも活用できます。
1.アメイジング・グレイス…落ち着いたテンポと親しみやすいメロディーで、ハーモニーの美しさを引き出しやすく、基本的なアンサンブルの練習に最適な曲です。
2.糸(中島みゆき)…穏やかなメロディーと親しみやすいフレーズで、二つの楽器の音色の違いを活かしやすいです。基本的な表現力を磨くのに適した曲です
技術向上のためのチャレンジ曲
ある程度基礎が身についてきたら、より表現力や技術力が求められる曲に挑戦してみましょう。
クラシックの名曲は、音程の正確さやフレージング、音色の統一など、様々な要素を学ぶことができます。
3.Jupiter(ホルスト)… 壮大で美しいメロディーは、結婚式や式典などの特別な場面で効果的です。特に中間部の印象的な主題は、聴衆の心にも響きます。
4.情熱大陸…ダイナミックな展開と力強いリズムが特徴で、テクニカルなフレーズや速いパッセージの練習に最適です。二重奏でのアンサンブルバランスや息の合わせ方を学べます。
イベントや式典で人気の定番曲
人前での演奏機会では、聴衆に親しみやすく、かつ二重奏の魅力を存分に引き出せる曲選びが重要です。特にイベントや式典では、場の雰囲気に合わせた選曲が求められます。
5.ユーレイズミーアップ…温かみのある優美なメロディーと力強く印象的なサビを持ち、式典や卒業式などの感動的なシーンで心に響く曲です。希望と勇気を与えるメッセージ性の高い楽曲で、厳かな雰囲気から盛り上がりまで表現できます。
6.リベルタンゴ(ピアソラ)…情熱的なタンゴのリズムとドラマチックな展開を持ち、コンサートやステージで聴衆を魅了する華やかな曲です。クラシックとモダンの要素が融合した独特の雰囲気で、演奏会のクライマックスを飾るのに最適です。
季節のイベントで活躍する曲
季節感のある演奏は、聴衆の心により深く響きます。それぞれの季節や行事に合わせた曲目を用意することで、演奏の幅が広がります。また、技術的にも挑戦しがいのある曲が多いのが特徴です。
7.Let It Go… …壮大なメロディーと印象的な展開を持ち、冬のイベントで聴衆の心をつかむ人気曲です。特にクリスマスコンサートなど場面では、会場全体を魅了する雰囲気を作り出せます。
8.青と夏(Mrs.GREEN APPLE)…夏の野外イベントなどで人気の高い曲で、明るく開放的なメロディーと親しみやすいリズムパターンが特徴です。若い世代に馴染みがあり、観客との一体感を生み出しやすい曲です。
聴衆を魅了するエンターテインメント曲
コンサートやイベントでは、聴衆を楽しませる要素が必要です。誰もが知っている曲や、演奏者の技量が存分に発揮できる曲を選ぶことで、より印象的なステージを作ることができます。
9.宝島(T-SQUARE)…躍動感あふれるリズムと印象的なメロディーラインを持ち、ジャズフュージョンの魅力が詰まった曲です。親しみやすさと洗練された音楽性を併せ持ち、コンサートの盛り上がりどころで観客の心を掴みます。
10.Take Five…ジャズの名曲で、即興演奏の要素を取り入れることができます。リズム感とグルーヴ感を養うのに最適な曲です。
これらの曲は、演奏者のレベルや演奏の場に応じてアレンジを工夫することで、より効果的な演奏が可能です。
まずは自分たちのレベルに合った曲から始めて、徐々にレパートリーを広げていくことをおすすめします。
異なる管楽器でのアンサンブルでよくある質問
以下では異なる管楽器でのアンサンブルにおいてよくある質問をまとめました。
- パートナーはどうやって見つけますか?
- 発表の機会はどんなところでありますか?
- 演奏時の音量バランスはどうしていますか?
具体的にみていきましょう。
インストバンドならミラホリックをチェック
この異なる楽器でのアンサンブル、歌が入らないバンド編成を「インストバンド」といいます。
インストバンドの編成は様々で、音源を使うもの、ドラムやベースが入るもの、サックスだったりピアノだったり
本当に多種多様です。
インストバンドの上達には定期的な練習が欠かせませんが、素敵なパートナーを見つけ、ぜひインスト(歌の入っていない器楽演奏)にチャレンジしてみてください!
トランペットとアルトサックスの美しい二重奏の世界をより深く知りたい方には、2020年12月に結成されたインストゥルメンタルデュオ「ミラホリック」がおすすめです。
流行の曲から往年の名曲まで、全曲オリジナルアレンジによる演奏は、二重奏の新たな可能性を感じさせてくれます!
YouTubeチャンネルでは多数ジャンルの演奏動画を公開しており、音量バランスの取り方やステージング、アレンジの工夫など、実践的なヒントを得ることができます。
ぜひミラホリックのチャンネルをチェックし、二重奏の勉強をしてみてくださいね!
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