【フルートの歴史】現代フルートの完成までの歩みと各メーカーの取り組みについて(ムラマツ・ヤマハ・ミヤザワ・ヘインズ)

「自分が吹いているフルートの歴史について知らない」「楽器の知識を増やして上達の足掛かりとしたい」このような悩みはありませんか?

実は楽器の歴史を詳しく知ることは、自分がこれから使っていく楽器や仕掛け選びに大きな影響を与えていきます。

そこでこの記事では、吹奏楽CDのレコーディング30枚以上に携わった著者が、フルートの歴史について詳しく紹介していきます。

この記事を読めば、フルートの知識が深まること間違いなしです。

ぜひ最後までお読みください。

フルートの祖先となる楽器

フルートの祖先となる楽器は、なんと旧石器時代から存在していました。

その頃は動物の骨で作られた横笛が祖先とされています。

現代のフルートに直接つながる原型となった楽器が作られたのはルネサンス期(16世紀頃)。

ルネサンス期からバロック時代にかけて、「フルート」と呼ばれた楽器は、現在の「リコーダー」のことを指していました。

ルネサンス期のフルートは「フルート・トラヴェルソ」(日本語で「横のフルート」)と呼ばれており、縦型の笛が主流、かつ前提であったと言えます。

当時の笛は木材(楓や梅など)から削り出された、円筒状でキーを持たない形で、音程の操作も難しく、音色も不均一なものでした。

しかし、現代の楽器には出せない優しい素朴な音色が愛され、演奏されているフルート奏者もいらっしゃいます。

ルネサンスフルートの大きな弱点として主に挙げられるのが、「半音を出すのが苦手」「ピッチの調整ができない」「音色の統一感がない」という3点。

管体を分割し、結合部の抜き差しができるようにする、頭部管から足部管に向かって次第に細くなる円錐形をするといった改良がなされました。

これらの改良に伴い、表現力を向上させてできたのが「バロック・フルート」です。

バロック・フルートは、王宮でも人気を博し、次第に縦笛に取って代わる存在となってきました。

多様な音色を持ち、繊細で豊かな表現が可能であることから、バロック・フルートは今日なお復元楽器が多数製作されています。

現代フルートの完成~ベーム式フルートの登場

古典派からロマン派初期にかけて、キーやトーンホールの拡張、音域の拡大など様々な改良がなされていきました。

しかし、楽器製作者たちが、それぞれの考えや理念に基づいて独自の改良を続けていったため、操作法が確立しないという問題が発生した。

このようなフルートの乱開発の時代に終止符を打ったのが、ドイツの管楽器製作者であるテオバルト=ベーム氏による「ベーム式フルート」の開発です。

ベームが開発した革命的な機構によって、今までのフルートが持つ問題点が解消され、飛躍的な改善がなされました。

またそれまで木製だったフルートを金属製に切り替えたのも、ベーム氏によるものです。

開発のきっかけとなったのは、イギリスフルート奏者のニコルソン氏の演奏に感銘を受けたからだと言われています。

当時のフルートはキーのない箇所は、トーンホールという穴を指でふさいで演奏を行ってきました。

ニコルソン氏は手が大きく指も太かったため、自分の指でギリギリふさげるサイズまでトーンホールを拡張した改造楽器を使って演奏したところ、その迫力のある演奏にベーム氏はいたく感動したそうです。

そのため、ベーム式フルートではトーンホールを大きくし、指でなくキーでしっかりとトーンホールをふさぐこと。

またキーを押さえていないときはトーンホールを開いた状態にしておくことで、なるべく音の抜けが良くなるような基本設計を構築しており、音量が飛躍的に増すことになりました。

またベーム氏は初期に発表したモデルからさらに改良を進めていきます。

当初のモデルは円錐形のフルートで、音色が暗くなってしまう点にデメリットを感じたベーム氏は、頭部管を略円錐形、本体を円筒形とすることで、今までの歴史上にない、明るいフルートの音色を獲得することができました。

このベーム式フルートの誕生によって、キーシステムもほぼ現代のフルートの機構が採用され、現代のフルートはほぼ完成されたといっても過言ではありません。

事実、現代でもフルートの改良な改良がなされていますが、ベームの基本設計を凌駕するほどのフルートは今日に至っても現れていません。

各フルートメーカーの歴史

このベーム式フルートの基本設計をもとに、各メーカーが独自の改良を進め、今日に至っています。

各メーカーの特徴については、こちらの記事でまとめていますので是非お読みください。

>【フルートメーカー】おすすめ一覧~特徴や音色などを徹底比較(ヤマハ・ムラマツ・ミヤザワ・パール・アルタス・サンキョウ)初心者から上級者までおすすめモデルを紹介

本記事では「歴史」という点にフォーカスを当てて、各メーカーの取り組みを紹介していきます。

ムラマツ

陸軍戸山学校で楽器修理をしていた、「国産フルートの父」と称されている村松孝一氏が、大正12年(1923年)頃から本格的にフルート製作を開始したことから、日本のフルート制作の歴史が始まります。

村松孝一氏亡き後、プロのフルーティストに教えを乞うためにコンタクトを行いました。

その中で特にムラマツ・フルートの発展に寄与したのが、吉田雅夫氏とジュリアス・ベーカー氏の功績です。

彼らをきっかけに、世界の名だたるフルーティスト(マルセル・モイーズ氏、ジャン=ピエール・ランパル氏、オーレル・ニコレ氏など)と協力し、最高峰のフルートを生み出すことに成功しました。

さらにこのムラマツ・フルートから独立し、サンキョウフルート、ミヤザワフルートなどが誕生し、日本の、世界のフルート文化を支えている。

ヤマハ

明治時代から管楽器を制作してきた老舗である「日本楽器製造株式会社」(通称:ニッカン)が、今日のヤマハフルートの母体となっています。

1970年、ニッカンブランドを吸収・統合したところから、ヤマハフルートの開発がスタートしました。

転機となったのは、世界的なフルート奏者である、ジャン=ピエール・ランパル氏との出会い。

ランパル氏は、ヤマハのフルートを最初に吹いたときの印象を「今まで吹いた日本のフルートはどれも吹きやすいけれど、私には面白さが感じられなかった。しかしヤマハは違った。歌口が大きくなく、良い抵抗感があって自分で音楽を作れる楽器だった。だから使ってみたのだ」と語っており、そこから長きにわたる付き合いが始まったのです。

ランパル氏との出会いが、アンドラーシュ・アドリアン氏や工藤重典氏などとの出会いに繋がり、今では様々な世界的なアーティストと共に研究を続けている。

ミヤザワ

1969年に、ムラマツ・フルートから独立した宮沢正史によって設立。

創業3年目である1972年に工場を全焼するという困難に直面しましたが無事再建、1974年にはスウェーデンのディーラーから連絡を受けたことをきっかけに、北欧をはじめとする世界市場へと進出しました。

1980年代後半に、ミヤザワ・フルートの特徴ともいえる「ブローガーシステム」を開発・導入。

日本フルートの3大メーカー(ミヤザワ・ムラマツ・サンキョウ)の1つに君臨しています。

ヘインズ

1888年にアメリカ・ボストンで創業された、世界で最も長い歴史を持つフルートメーカーの1つ。

宝飾職人としての技術をフルート製作に応用したことに大きな特徴があるメーカーです。

そんなルーツもあることから、アメリカ国内で初となる18均製フルートやプラチナ製フルートの制作にも携わりました。

1898年、現在ではフルート製造の標準的な手法となっている引き上げ式トーンホール(ドローン・トーンホール)の製造技術を発明し、特許を取得。

長い歴史を通じて培われた「ヘインズトーン」と呼ばれる美しい音色を維持しつつ、現代のニーズに合わせたサウンドを追求し続けています。

歴史の最先端にある、現代のフルートを安価で入手する方法

ここまで見てきたように、様々な歴史の積み重ねによって現代の高性能なフルートが出来上がりました。

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