「フルートの倍音が出ない」「倍音練習が重要とは聞くけど、どんな効果があるのかわからない」「倍音練習とはどのように行えばいいのか教えて欲しい」このような悩みはありませんか?
実は倍音練習に取り組むと、全体的に豊かな音色を作ることができ、特に高音域の当てやすさにもつながってきます。
そこでこの記事では、吹奏楽CDのレコーディング30枚以上に携わった著者が、フルートの倍音とは、フルートの倍音を出すコツや練習方法などを詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、フルートの倍音についての情報を全て知ることができるはずです。ぜひ最後までお読みください。
フルートの倍音とは
倍音について理解するために「倍音の定義」と「フルートにおける倍音」の2つに分けて解説していきます。
そもそも「倍音」とは何?
音の分類の仕方に「基音」と「倍音」という分け方があります。
基音というのは実際に出ている音のことです。
例えばピアノで「ド」の音を弾いたら、聴こえてくる「ド」の音が基音となります。
一方で倍音とは、基音の中に含まれるかすかに聴こえてくる音のことです。(詳しく解説すると、基音の周波数の2倍や3倍…と、基音よりも多い周波数の音が含まれている、という理論はありますが、「基音の中に含まれる、かすかに聴こえてくる音」という理解でも十分だと考えています。)
実際にピアノの「ド」の音を鳴らすと、オクターブ上の「ド」の音やその上の「ソ」の音など、よく注意して聴くと複数の音が聴こえるはずです。
倍音を聴き取りやすいのはグランドピアノの低音ですので、ペダルを踏んでfで鳴らすと、倍音を体感できるかもしれません。
グランドピアノが身近にある方は試してみてください。
フルートにおける倍音・ハーモニクスとは
倍音の定義はここまで解説してきた通りです。
フルートに限らず、他の楽器や歌においても、倍音が多く含まれる音というのは、豊かで響きのある良い音色とされています。
そのためフルートを上達していきたいのであれば、倍音練習を避けて通ることはできません。
そもそもフルートの仕組みとしては、低音域(第1オクターブの音)は基音で鳴らしていますが、中音域から高音域(第2オクターブから第3オクターブ)にかけては、低音域の倍音でできています。
本来であればなかなか聴こえない倍音を、強制的に倍音が聴こえるような運指に設定しているだけです。
なお、フルートの世界では倍音と似た言葉として「ハーモニクス」という言葉も多く使われています。
基本的には「倍音=ハーモニクス」の理解で問題ありませんが、「ハーモニクス」とはここまで説明してきた倍音を、意図的に出すためのテクニックという意味が強いです。
フルートにおける倍音練習・ハーモニクス練習について
ここからはフルート奏者が行うべき、具体的な倍音練習・ハーモニクス練習について詳しく解説していきます。
フルート奏者が倍音練習・ハーモニクス練習を行うと得られる効果とメリットについて
倍音・ハーモニクス練習に取り組むことで、口の周りの小さな筋肉の柔軟性や唇のコントロール力が上がる、つまり質の高いアンブシュアが作れるということになります。
質の高いアンブシュアによって、音域間の行き来が非常に楽になったり、響きのある豊かな音色を得ることができるようになるのです。
前述した通り、フルートの第2オクターブ以上の音は全て倍音となっているので、倍音の正しい鳴らし方を身につけることはフルート奏者にとって必須のテクニックとなります。
この正しい倍音の鳴らし方を知らずに、運指にだけ頼って第2オクターブ以降の音を鳴らしていると、不自然な奏法になっていると言わざるを得ません。
倍音練習・ハーモニクス練習の具体的な練習方法と運指、コツについて
具体的な練習方法を解説していきます。
まず運指は低音「ド」の運指にしてください。
この運指ではもちろん、基音である低音「ド」の音が出るわけですが、倍音であるオクターブ上の「ド」の音(第2倍音)やその上の「ソ」の音(第3倍音)、もう1オクターブ上の「ド」の音(第4倍音)を出せるように、アンブシュア・口元を変更していきます。
コツとしては、アンブシュア・口元を変化させることです。
アンブシュア・口元を変化させ、倍音のあたるポイント、ツボのような場所を探すことが必要になります。
下唇を前に出し、息の方向が上に向くようにコントロールすると、倍音の当たるポイントが見つかりやすくなるはずです。
一方で息のスピードに関しては、プロのフルート奏者であっても意見が分かれる部分ではあります。
息のスピードを上げて高音の倍音を出すべき、というフルート奏者もいれば、逆に息の入れ方は変えずにアンブシュアや口元だけでコントロールして倍音を出すべきという方もいらっしゃり、意見が分かれている状況です。
著者としておすすめしたい方法としては、まずは息のスピードを上げてもいいのでとにかく倍音を当てること。
そして倍音が当たる感覚をつかみ、それに慣れることが大切だと考えています。
1度倍音が当たったら、それを自分の奏法のコントロールで再現できるよう、何度も練習しましょう。
その中で徐々に、基音を出すときの吹き方に近づけても倍音が出るように、順序だてて練習していくことが有効だと考えています。
なお、タンギングは行っても問題ありません。(むしろスラーで行う方が難易度が高いです。)
音量はmpやmfなど、出しやすいダイナミクスを選択すると良いでしょう。
倍音が出るようになってきた後の練習方法
倍音が鳴るようになってきたら、練習方法を少しずつ発展させていきます。
ダイナミクスを変更する
倍音・ハーモニクスの基礎を身につけるまでは、mpからmfの出しやすいダイナミクスで練習をしてきましたが、pからfまで幅広いダイナミクスで倍音がでる感覚をつかみましょう。
ダイナミクスが広がっていくほど、アンブシュアなどの奏法はさらにシビアになるため、より洗練されたテクニックを身につけることができるようになります。
スラー(タンギングなし)で演奏する
タンギングなしで基音から倍音へ、倍音から別の倍音へ移るのは、タンギングするときよりも難易度が上がります。
音色や響きの差が大きくならないように、滑らかにつながるのを目標に練習してみてください。
他の運指でも練習する
ここまで運指は低音「ド」の運指で行ってきましたが、他の低音域(第1オクターブ)の運指でも、倍音・ハーモニクス練習を同様に行うことはできます。
下記の音が出ますので、低音「ド」の運指で行ったときと同じように、奏法をコントロールして、倍音を出す感覚をつかんでいってください。
- 押さえた運指で出る音の1オクターブ上の音(第2倍音)
- 押さえた運指で出る音の1オクターブ+完全5度上の音(第3倍音)
- 押さえた運指で出る音の2オクターブ上の音(第4倍音)
最終的には、フルートの全音域を、低音域の運指のまま、倍音で出すことを目標にします。
豊かな倍音を出しやすい、グレードの高い楽器に買い替えてみませんか?

ここまで解説してきた奏法でも倍音を出すことはできますが、やはりグレードの高い楽器で演奏した方がより豊かな倍音が出しやすいもの。
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