【完全版】ホルン マウスピースの選び方と比較表|ヤマハ・ホルトン・JK番手早見表

ホルン(フレンチホルン)のマウスピースは、音色や吹きやすさ、音程の安定までを左右するとても重要なパーツです。ところが「楽器に付いていたものをそのまま使っている」「名前の数字だけで選んでいる」という方がとても多いのが実情です。

この記事では、ホルンのマウスピース選びで本当に大事なポイントを、楽器店の現場目線でやさしく整理します。最後に、国内外27ブランド・約300モデルを横断できるインタラクティブ相関図もご用意しました。ご自分にぴったりの1本を見つける手がかりにしてください。

自分に合ったホルンのマウスピースの探し方

マウスピース選びは、次の3ステップで考えると迷いません。

  1. シャンク(楽器の差し込み口に合う形)で候補をしぼる
  2. 音色の好み(明るめか、暗く深めか)でカップ形状をしぼる
  3. リム内径(口径)を合わせ、最後は必ず試奏で決める

ホルンは金管の中でもとくに「楽器とマウスピースの相性」が出やすい楽器です。数字の大小だけでは決められませんので、順番に見ていきましょう。

ホルンのマウスピースの素材・仕上げは?

素材は真鍮(しんちゅう)が基本で、表面に銀メッキを施したものが最も一般的です。銀メッキは適度な抵抗感と落ち着いた音色が特長で、多くの奏者に好まれています。金メッキは肌当たりがやわらかく、金属アレルギーの方にも選ばれます。最近は樹脂製(ケリーなど)の安価で軽いモデルもあり、屋外や予備用として人気です。

仕上げによって吹き心地や音色の印象は少し変わりますが、まずは銀メッキの定番から試すのが安心です。

ホルンのマウスピースで有名なメーカーは?

ホルン用マウスピースには、世界中に専門メーカーがあります。代表的なものを挙げます。

  • ヤマハ(30C4などが定番。体系が分かりやすい国産)
  • ホルトン・ファーカス(MC・MDCなどアメリカンの古典的名作)
  • バック / シルキー(米国の老舗)
  • ラスキー(番号=内径で分かりやすい)
  • ヨットカー(JK)(ドイツ・記号で深さと形が読める)
  • アレキサンダー(ドイツ・ヨーロピアンシャンク専用)
  • エンゲルベルト・シュミット / ヴェルナー・クリストフ・シュミット(別会社の2つのシュミット)
  • パックスマン / ストーク / マルカンキウィッツ / K&G / グレッグ・ブラック ほか
  • 国産のベストブラス・TAD(ドルチェ楽器)・ウィリーズ・ブラスラボモモ

同じ「30」でもメーカーが違えば寸法も吹き心地も別物です。次の章から、選ぶときに見るべき3つの軸を順に説明します。

ホルンで一番大事なのは「シャンク」です

トランペットと大きく違うのが、ホルンにはアメリカンシャンクとヨーロピアンシャンクの2種類があり、差し込み口の太さ・テーパーが物理的に違って互換性がないという点です。ここを間違えると、どんなに良いマウスピースでも楽器にきちんと入りません。最初に必ず確認してください。

  • 現代のホルンはアメリカンシャンクが標準です。
  • はっきり分かれるのは、アメリカン専用=ヤマハ・バック・ホルトン・パックスマンヨーロピアン専用=アレキサンダー(Mainz)・W.Chr.シュミットです。
  • 多くのメーカーは両シャンクを用意しています(ラスキー・シルキー・JK・ストーク・ベストブラス・デニスウィック・E.シュミット・ティルツ・TAD・ウィリーズなど)。注文時に楽器に合う方を選びます。

とくにアレキサンダーのホルンをお使いの方は、ヨーロピアン(マインツ)シャンクが必要です。ご不明なときは、お手元のマウスピースを持って楽器店でご相談ください。

カップの深さとU/V形状で音色が変わります

シャンクで候補がしぼれたら、次は音色の好みです。ホルンのカップは全体にファンネル(漏斗)形が基調ですが、相対的に次のように分けられます。

  • U字カップ(ボウル寄り)=明るくクリアで、高音域が出しやすい傾向
  • V字カップ(ファンネル寄り)=暗く深みのある音で、低音域や豊かな響き向き

メーカーごとの読み方の例です。ヤマハは末尾のC=U字、B=V字、D4=ダブルカップ。JK(ヨットカー)は末尾のK=V字、M=U字。深さは、浅いほど明るく高音が楽に、深いほど豊かで暗い音になります。体力や曲によって合う深さは変わりますので、一概に深ければ良いわけではありません。

リム内径(口径)の選び方

リム内径は、唇が当たる円の内側の直径です。ホルンではおよそ16.5〜19mmの範囲が中心です。大きいほど豊かで余裕のある響き、小さいほどコントロールしやすく高音が楽になる傾向があります。唇の厚みや使う音域で快適なサイズは変わります。

分かりやすい物差しとして、ヨットカー(JK)の番手はそのままカップ径を表します(4=16.5 / 3=17.0 / 2=17.5 / 1=18.0 / 01=18.5mm)。多くのメーカーの寸法を、この物差しに重ねて比べると位置関係がつかめます。

番手が同じでも、メーカーが違えば別物です

ここが一番の落とし穴です。番号は各メーカーの社内表記で、互換性はありません。たとえば同じ「30」でも、ヤマハ30C4はリム内径17.28mm、シルキー30は17.03mmと別物です。「前のと同じ番号だから」で選ぶと、思った吹き心地と違うことがよくあります。

そこで、寸法を共通のものさしで並べて比べられるよう、当店で横断比較ツールを作りました。

ホルン マウスピース比較表|27ブランド・約300モデルを横断

横軸をリム内径(実測mm)、縦軸をカップ深さにして、国内外の主要27ブランド・約300モデルを1枚に並べたインタラクティブ相関図です。シャンク(アメリカン/ヨーロピアン)とカップ形状(U/V)で絞り込みができ、点をクリックすると、その型番の内径・深さ・形状・シャンクと、近い他社モデルが表示されます。

「いま使っている◯◯に近い他社の番手は?」という乗り換えの比較に便利です。スマホは横スクロールとピンチ操作で全体を見られます。

▶ インタラクティブ相関図を開く(27ブランド・約300モデル)

使い方はかんたんです。お客様の楽器に合うシャンクを選び、明るい音か暗い音かでU/Vを選び、あとはリム内径で近いモデルを横並びで比べて、最後は試奏で決めてください。

主要メーカーの番手 読み替え早見表

番手から、おおよそのリム内径(口径)を読み替える早見表です。あくまで目安で、深さやカップ形状は別に確認してください。

メーカー 番手の読み方(リム内径の目安)
ヨットカー(JK) 4=16.5 / 3=17.0 / 2=17.5 / 1=18.0 / 01=18.5mm(小さい番号ほど大口径)。末尾K=V字、M=U字
ヤマハ 番号が大きいほど大口径(30C4=17.28 / 32C4=17.48 / 34C4=17.88mm)。C=U字、B=V字、D4=ダブル
バック 番号が大きいほど小口径(3=17.6 / 7=17.25 / 11=16.55 / 18=16.15mm)
シルキー 番号が大きいほど大口径(27=16.25 … 31=17.14 … 32=17.83mm)。31はV字
ホルトン・ファーカス SC(浅)→MC→MDC→DC→XDC→VDC(最深)。記号=カップ深さ
ラスキー 番号=内径×10(75=17.5 / 80=18.0mm)。シリーズG(標準)/E(深)/F(中)/J(浅)
パックスマン 番号が小さいほど大口径・深い(2=18.5 … 9=16.55mm)
エンゲルベルト・シュミット 4〜6=17.0 / 7〜9=17.5 / 10〜12=18.0 / 13〜15=18.5mm(番号内で大きいほど深い)
W.Chr.シュミット ソリスト番号=内径×10(175=17.5 / 190=19.0mm)
ティルツ211 番号=カップ径 2=16.5〜7=19.0mm。文字=深さ(A浅い〜T深い)
ベストブラス(HR) 7=17.2 / 5=17.5 / 3=17.8mm。末尾D(浅)C(標準)B(深)
K&G 番号が小さいほど大口径(1=18.5 … 5=16.5mm)

同じ「5C」「30」でも、メーカーが違えば寸法も吹き心地も変わります。早見表は入口として使い、最後は試奏で本人の吹奏感・高音の出やすさ・音色で合わせるのが鉄則です。

リム単体(モジュラー)という選び方もあります

ハウザーやムースウッド、ローソンなどは、リム(縁)とカップ(杯)を別々に選んで組み合わせるモジュラー式です。リムの当たりは好みのまま、カップだけ深さや音色を変えられるのが利点です。相関図でも、これらは下部の「リム単体」帯にリム内径だけで並べています(深さは選ぶカップ次第のためです)。

「リムは今のが好きだけど、もう少し明るい音にしたい」といったご相談にも対応できますので、お気軽にどうぞ。

ホルンのマウスピースはたくさん持っているべき?

基本はメインの1本をしっかり吹き込むのがおすすめです。コロコロ替えると、かえって安定しにくくなります。とはいえ、ソロや吹奏楽、オーケストラ、屋外など場面で使い分ける上級者もいます。まずは1本を決め、必要に応じて浅め・深めを1本足す、という増やし方が無理がありません。

中古のホルンマウスピースって どう?

マウスピースは消耗が少ないパーツなので、状態の良い中古はとてもお買い得です。チェックしたいのは、リムの打痕や噛み跡、メッキの剥がれ、シャンクの変形やスロートの詰まりです。当店では一本ずつ状態を確認してご案内していますので、安心してお選びいただけます。お探しの番手があれば、在庫をお調べします。

不要になったホルンマウスピースの買取・処分は?

使わなくなったマウスピースは、ぜひ買取にお出しください。人気メーカー・人気番手は高く評価できることがあります。状態を確認してから査定金額をお伝えしますので、まずは写真を公式LINEにお送りいただくのがスムーズです。まとめてのご相談も歓迎します。

マウスピースを売るなら服部管楽器

よくある質問(ホルン マウスピース)

初心者は何番を選べばいいですか?

標準的な口径・深さの定番が無難です。ホルトン・ファーカスのMC/MDC、ヤマハ30C4、バック11などがよく選ばれます。まずは標準から始め、慣れてきたら浅め・深めを試して好みを探すと失敗しません。

アメリカンとヨーロピアン、どちらのシャンクか分かりません。

お使いの楽器によります。多くの現代ホルンはアメリカンですが、アレキサンダー系はヨーロピアンが必要です。お手元のマウスピースを持ってご来店いただければ、すぐに確認できます。

U字とV字はどちらが良いですか?

良し悪しではなく、音色の好みです。明るくクリアな音ならU字、暗く深い音ならV字が向きます。実際に吹き比べて、出したい音に近い方を選んでください。

試奏はできますか?

はい、店頭で吹き比べていただけます。マウスピースは最後は試奏で決めるのが一番です。お気軽にお声がけください。

マウスピース選びでお困りのときは、服部管楽器までご相談ください。相関図を一緒に見ながら、お客様の楽器とご希望に合う一本をお探しします。

お問い合わせ・ご相談はこちら(公式LINE)

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