「マウスピースの種類が多すぎて、どれを選べばよいかわからない…」こんなお悩みはありませんか?
実はマウスピースは、楽器本体よりも音に与える影響が大きい、重要なパーツです。
この記事では、吹奏楽CD30枚以上のレコーディング経験のある著者が、吹奏楽で使うべきマウスピースに特化して、それぞれの商品の特徴などを詳しく解説します。
著者自らが、実際にそれぞれのマウスピースを演奏したうえでのレビューも掲載しますので、きっと参考になるはずです。
この記事を読むことで、あなたが使うべきマウスピースの指針を立てることができるようになります。ぜひ最後までお読みください。
マウスピースの素材について
サックスのマウスピースの素材は、大きくエボナイト(硬質のゴム)とメタル(金属製)の2種類に分けられます。
吹奏楽で使うのであれば、エボナイト一択です。
メタルマウスピースでは、音が立ちすぎてしまうため、ソロでの演奏には向きますが、複数の楽器同士でハーモニーを奏でる吹奏楽には不向きです。
そこでこの記事では、吹奏楽で使われる定番のエボナイトマウスピースを紹介していきます。
ティップオープニング
ティップオープニングとは、リードとマウスピースの先端の開きのことを指します。
ティップオープニングが広いほど、響きが豊かになる一方で、コントロールが難しくなる傾向があります。
ティップオープニングが狭いほど、大きな音は出しにくいですが、息が音になる反応が速く、コントロールしやすいです。
ティップオープニングが広いマウスピースには薄め・柔らかめのリードを、ティップオープニングが狭いマウスピースには厚め・硬めのリードを合わせるのが一般的です。
それぞれのマウスピースの特徴
それぞれのマウスピースの型番ごとに、特徴を解説していきます。
セルマー
言わずと知れたフランスの最大手のサックスブランド。
マウスピースの王道で、プロも含め使用している奏者が最も多いです。
著者もソプラノからバリトンまで、全てのサックスでセルマーのマウスピースを愛用しています。
S80 C☆
通称「ワンスター」。セルマーのマウスピースの中では、最も明るい音が出る個体です。
音も出しやすく、コントロールしやすいため、初心者の方にもおすすめできるマウスピースとなります。
S90 170
S90シリーズは、S80シリーズと比較して、暗めで落ち着いた音色が特徴です。
その中でも170は吹奏感が軽く、操作しやすいといった特徴があります。
一方で音量は出しにくいので、3 1/2番などの硬めのリードと合わせて、響きを増すようにする方も多くいらっしゃいます。
S90 180
S90 170と同様、暗めで落ち着いた響きがしますが、抵抗感が強めで、しっかり鳴らせる点に特徴があります。
マウスピース自体の抵抗感が強いので、2 1/2~3番の柔らかいリードに合わせて吹くのが一般的です。
プロも好んで使っている個体で、最も人気の高いマウスピースと言えます。
コンセプト(Concept)
クラシック専門のマウスピースで、非常に柔らかいサウンドが鳴ります。
特にサックスの苦手とする低音域のコントロールがしやすい点が特徴です。
良くも悪くも、マウスピースの特徴が強く出る個性をもっています。
好きな人にとってはとことん好みの音が鳴りますが、奏者の個性でなくマウスピースの個性が出すぎると敬遠する人もいます。
バンドレン(Vandoren)
フランスのメーカーで、リードだけでなくマウスピースでも高い評価を得ているブランドです。
バンドレンのリードに合うように、マウスピースも設計されています。
V5シリーズ
クラシックからジャズ・ポップスまで幅広いジャンルで使えるのが特徴のマウスピースです。
V5シリーズの中でも、テナーサックスのT20というモデルは特に人気が高いです。
反応が速く、息がすぐ音になるようなイメージで演奏できます。
オプティマム(Optimum)
丸く・柔らかい音が出しやすいクラシック向けのマウスピースです。
サックス奏者の本堂誠氏が使っていることで、特にバリトンサックス奏者に人気のあるマウスピースとしての地位を確立しました。
プロファイル(Profile)
バンドレンマウスピースの最新モデル。高音域から低音域までスムーズにつながり、鳴りムラがありません。
吹奏感も心地よく、強弱もつけやすいので、多くのクラシックサックスのプロ奏者から高評価を得ています。
ヤナギサワ
日本が誇る、世界を代表するサックスブランドです。
クラシック・モデル
ヤナギサワが、クラシック・吹奏楽のために開発したマウスピースです。
クラシック専用のマウスピースは、ティップオープニングが狭いモデルが多いですが、このヤナギサワのマウスピースは、ティップオープニングが広めなのが特徴です。
ヤマハ
言わずと知れた世界を代表する日本の楽器メーカーです。
カスタムマウスピース
幅広いジャンルで演奏できる対応力が魅力のマウスピースです。
他のマウスピースのモデルよりも安価で購入することができます。
ルソー
サックス界の巨匠、ユージン・ルソー氏が設計したマウスピースのブランドです。
バリトンサックスは特に根強い人気があり、多くのプロ奏者が使用しています。
クラシック
パワフルでダークなサウンドが特徴です。
他のマウスピースと比べ、小さめのサイズで設計されているので、リガチャー選びは慎重に行いましょう。(バリトンサックスのマウスピースは、テナーサックス用のリガチャーが合う設計となっています。)
マウスピース購入でお悩みなら服部管楽器へ

吹奏楽向けのマウスピースについて紹介してきました。あなたの気になる1本は見つかりましたか?
もしマウスピース購入で迷うのなら、新品・中古と数多くの在庫を揃える「服部管楽器」に相談してみませんか?
もちろん、店舗ではマウスピースの試奏も行うことができます。
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マウスピースを長く使うために
最後に、選んだマウスピースを長く使い続けるための方法を紹介します。
マウスピースパッチを貼る
購入したマウスピースにはすぐにマウスピースパッチを貼るようにしましょう。
マウスピース本体に歯形が付くのを防ぐことができます。
マウスピースパッチは、マウスピースの先端には貼らず、少し下げて貼るようにしましょう。
マウスピースにはスワブを通さず、ガーゼなどで水気を拭き取る
マウスピースは非常に繊細に作られているため、少しの衝撃にも弱いです。
マウスピースが傷ついてしまう恐れがあるので、スワブを通すのは止めましょう。
マウスピースについた水気は、ガーゼなどの柔らかい布で拭き取るようにします。
吹奏楽におすすめのマウスピース、マウスピースを長持ちさせる方法について解説してきました。
あなたのマウスピースに関する悩みが少しでも解決したなら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。