「サックスを始めたいけど何から揃えればいいか分からない」「サックスを始めるうえでの前提知識が知りたい」こんな悩みはありませんか?
実はサックスは、管楽器の中では1番音が出しやすく、始めやすい楽器とされています。
サックス歴20年以上で、サックスの講師をつとめている私が、サックス初心者が知っておくべきこと全てをこの記事にまとめました。
この記事を読めば、サックスを始める上で必要な知識を全て身につけることができます。
ぜひ最後までお読みください。
サックスに関する基礎知識
サックスの歴史
サックスは1940年代に、ベルギー人のアドルフ=サックス氏によって開発されました。
楽器の中では新しい部類に入り、木管楽器と金管楽器のいいとこ取りを目指しています。つまり木管楽器の指使いや操作性、金管楽器のパワフルな響きを両立させることを目的としていました。
もともとは軍楽隊で多く使われ、クラシック用の楽器としてフランスを中心にヨーロッパ各地に広がります。
クラシックのために作られたサックスですが、20世紀に入ると、アメリカにわたりジャズの世界で中心的な存在となりました。
今ではクラシック・ジャズだけではなく、ポップスやロックなど様々な音楽ジャンルで活躍している楽器です。
音を出す仕組み
サックスは葦(あし)という植物で作られた「リード」と呼ばれる薄い板を振動させて音を出します。
楽器本体は金属でできていますが、この音を出す仕組みがクラリネットと同じであることから、金管楽器ではなく木管楽器として分類されているのは、多くの人が間違えやすいポイントです。
音は「キー」と呼ばれるボタンを押さえて変えていきます。キーを押すと楽器本体に空いた穴がふさがり、管の長さが変わることで音の高さを変化させます。
キーの押さえ方はリコーダーにかなり似ています。その点においても初心者にとって扱いやすい楽器として分類されているのです。
サックスの種類

サックスは上の図の右から音域が高い順に「ソプラノサックス」「アルトサックス」「テナーサックス」「バリトンサックス」に分類されます。
ソプラノサックス
一般的にイメージされるサックスの形とは異なり、ストレートな管が特徴です。
華やかで特徴的な音を出すことができますが、4つサックスの中では最も演奏するのが難しいサックスとされています。
アルトサックス
4本の中で最もバランスがとれており、最も演奏しやすく、初心者におすすめのサックスとなっています。
クラシックからジャズまで、幅広いジャンルでの活躍が見込める花形楽器です。
テナーサックス
中低音を担当するサックスです。
メインで使用されるのはジャズですが、クラシックの世界でも対旋律などで活躍します。
バリトンサックス
4種のサックスの中で最も大きく、低い音が出せるサックスです。
ベースラインを主に担当しますが、アンサンブルなどでは機敏な動きを見せるときもあります。
初心者が購入すべきサックスのモデル
前述した通り、どのサックスを始めようか悩むのであれば、操作しやすいアルトサックスがおすすめです。
もちろん「アルト以外のサックスを始めたい」という強い意志があるのであれば、どのサックスから始めても構いません。
おすすめのメーカーは「セルマー」「ヤマハ」「ヤナギサワ」の3社です。
これらのメーカーであれば、中古であっても安心して購入することができます。
機種ごとのおすすめはこちらの記事で詳しく解説しています。
中古の楽器を安心の店舗で購入してみませんか?

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サックス以外で演奏に必要なもの
サックスを購入した際に、付属している可能性もありますが、楽器以外にまず必要となるのが、次に挙げるアクセサリー類です。
マウスピース

マウスピースとはサックスの吹き口のことです。
実はサックス本体よりもこのマウスピースの方が、演奏に与える影響は大きいです。
また個体差もありますので、可能であれば上級者の方に選んでもらうことをおすすめします。
おすすめのマウスピースはこちらの記事で紹介しています。
ジャズ用のマウスピースもありますが、癖が強いので、将来的にはジャズがやりたい方であっても、まずは吹奏楽でおすすめのモデルから選ぶ方がおすすめです。
リード

リードとは、マウスピースに取り付けて息を吹き込むことで振動して音を出す、葦(あし)から作られた薄い板のことです。
マウスピース同様、楽器本体よりも演奏に与える影響が大きく、個体差もあります。
初心者にはヴァンドレンのトラディショナル(通称「青箱」)で、リードの硬さは2.5~3番を選ぶと良いでしょう。
なお、リードは数字が小さいほど音が出しやすく、数字が大きいほど響きのある音が出るようになります。
リガチャー

リガチャーとはマウスピースとリードを止めるための金具です。
サックスのリガチャーはかなり多くの種類が販売されています。
おすすめのリガチャーについては、こちらの記事を参考にしてみてください。
ストラップ
ストラップとは、楽器を首などからぶら下げるために使うアイテムです。
ストラップも数多くの種類のものが出ていますが、首に楽器の重さがかかりすぎないものを選ぶとよいです。
おすすめのストラップについては、こちらの記事をご覧ください。
スワブ
スワブとは、サックスを演奏した後に、管内についた水分を拭き取るためのメンテナンス道具です。
こちらのスワブがおすすめで、著者も利用しています。
バリトンサックスはサイズが異なり、こちらのスワブを使います。
給水シート
給水シートとは、キーの裏についた水分をとるためのメンテナンス道具です。
著者は様々な給水シートを使用した結果、こちらの商品を利用しています。
チューナー
チューナーとは楽器の音程を計るための道具です。練習時に使用します。
チューナー単体でも楽器店で販売されていますが、スマートフォンのアプリでも十分です。
メトロノーム
メトロノームは一定のテンポを刻む道具で、練習に使用します。
チューナー同様、楽器店では単体で売っていますが、こちらもスマートフォンのアプリで十分です。
サックスの音の出し方
サックスの音を出すには、下唇を口の中に巻き込んで、マウスピースを1cmほど加えて、息を細くまとめて入れます。
最初から楽器をつけて音を出すのは難しいので、楽器本体からネック部分を外し、ネックまでで音が出るかを確かめてみると上手くいくかもしれません。
それでも音が出ない場合は、マウスピースの噛み具合や、息を入れる方向を変えてみて、音が出る位置を確認してみてください。
アンブシュアについて、さらに詳しく学びたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。
>【初心者向け】サックスのアンブシュアの作り方・吹奏楽奏者必見!
初心者が行うべき基礎練習方法
初心者が行うべき基礎練習をいくつか紹介します。
ロングトーン
ロングトーンとは、1つの音を長く伸ばす練習のことを言います。
メトロノームでテンポ60くらいに設定し、8拍間伸ばし、2~4拍休むのが一般的な練習方法です。
まずは音をまっすぐ伸ばすために必要な練習となります。
音がまっすぐ伸びるようになっても、ロングトーンは音をきれいにするために有効な練習ですので、数年は続けることをおすすめします。
著者もサックスを始めて数年間は、時間があればロングトーンの練習を繰り返していました。
タンギング練習
タンギングとは、舌をリードにつけることでリードの振動を止め、音を切るテクニックのことです。
音を出しながら「Tu(トゥ)」というと、音が切れます。
音が上手く切れない場合は、しっかりと舌とリードが触れるように意識してみましょう。
音が切れるときに雑音(ノイズ)が入ってしまう人は舌をつき過ぎです。リードの先端1点を目がけて舌をつくようにしてみてください。
タンギングについてより詳しい情報が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
>【サックスのタンギング練習】吹奏楽初心者でも上達する5つのステップ|舌の位置から発音まで完全解説
音階(スケール)練習
音階(スケール)練習はいわゆる「ドレミファソラシド」です。
運指表で指を覚えながら、丁寧にさらっていきます。
音階練習は、曲を吹くうえで基礎となる重要な練習ですので、必ず続けるようにしましょう。
著者はサックス歴20年を経過した今でも、練習時に毎回、音階練習を欠かさずに行っています。
初心者が持っておくと良い楽譜
サックスを始めて間もない方は、大室勇一先生の「サクソフォーン教本」がおすすめです。
簡単な課題から徐々に難しくなっていき、各章の終わりには、簡単な課題曲もついています。
まずはこの1冊を最後まで吹き切ることができれば、サックスの本格的な勉強に移行する準備ができたと言えるでしょう。
楽器のメンテナンス
楽器を吹き終わったら、スワブと給水シートを使って、楽器の水分を取り除くようにします。
この日々のメンテナンスの他に、半年から1年程度に1回は、専門店で楽器の調整を行ってもらいましょう。
調整を怠ると、サックスの上達に支障がでてきます。
サックスのメンテナンスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
>サックスが壊れた?修理費用や自分でできるメンテナンスのポイントを解説!
まとめ
これからサックスを始める初心者の方に、知っておいて欲しい事項についてまとめました。
サックスを始めるイメージはできましたでしょうか?
情報量が多くなってしまったので、この記事を何度でも読み返して、理解を深めてくださいね。
サックスは一生行える趣味で、人生に彩を与えてくれます。
ぜひサックスを続け、より充実した生活を送ってくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。