「サックスを上達するための練習メニューがわからない」このような悩みはありませんか?
実はサックスの上達において、外すことができない練習メニューがあります。
それは「スケール(音階)練習」です。
この記事では、サックス歴20年以上、サックス講師もしている著者が、サックスのスケール練習の効果的な方法と、スケール練習を行うメリットについて解説していきます。
あなたのサックスの上達にきっと役立ちます。ぜひ最後までお読みください。
サックスのスケール練習の取り組み方
あなたは吹奏楽部で使用している教本を使って、スケール練習をしていませんか?
残念ながら、その方法は間違いです。
なぜなら一般的な吹奏楽の教本には、スケールが1オクターブ、良くても2オクターブしか書かれていないからです。
正しいサックスのスケールの方法は、サックスの全音域である2オクターブ半をフルに使う必要があります。
サックスの正しいスケール練習方法(アルト・テナー共通)
サックスのスケール練習とは次のように行います。以下、C-Dur(ハ長調)の例です。

①C-Durの主音、C(ド)の音でサックスが出せる1番低い音からスタートする
②C-Durで登場する音の中で、サックスが出せる最も高い音まで上行する(サックスの最高音はファ#だが、C-Durにはファ#は登場しないので、半音下のファ♮まで上行する)
③C-Durで登場する音の中で、サックスが出せる最も低い音まで下行する(サックスの最低音はシ♭だが、C-Durにはシ♭は登場しないので、半音上のシ♮まで下行する)
④①の主音まで上行して戻る
この形でどの調においてもスケール練習を行ってください。
サックスのスケール練習で使用すべきおすすめの教本
サックスのスケール練習のための教本は数多く出版されていますが、著者がダントツでおすすめするのが「Perfect Scale for Saxophone Vol.1 Basic(松下洋)」です。
前述したサックスの正しいスケールの練習方法が、短調も含め全調にわたって書かれているだけではなく、それぞれのスケールの正しい指使いまで併記されています。
この正しい指使いが掲載されているのが、この教本の大きな価値で、他の教本にはない唯一無二の特徴です。
この教本が出る前は、スケールの正しい指使いは、レッスンに通って習うしかありませんでした。
しかし、この教本を使えば、独学で正しい運指を学ぶことができます。
音階で正しい運指のパターンを覚えてしまえば、曲においても替え指で迷うことはかなり少なくなります。
一生涯使える教本になりますので、サックス吹きにはぜひ手に入れてもらいたい1冊です。(著者は今でも定期的にこの教本で練習をしています。)
著者が講師の立場で、生徒さんに勧めているこの教本のおすすめの練習方法も解説しておきます。
最初の方のページに、音階の一覧が掲載されています。
これをリピートなしで良いので、一息で吹けるように練習してみてください。(#7個・♭7個はほとんど使わないので、飛ばしてしまってOKです。)
可能であれば暗譜してしまえると、より効果が高いです。
サックスのスケール練習に取り組むメリット
サックスのスケール練習に正しく取り組めば、数多くのメリットを享受することができます。
最高音・最低音を含む幅広い音域を普段から使うようになる
最高音に近い高音域、最低音に近い低音域は、普段の曲などを練習しているとあまり登場してきません。
これらの音はコントロールが中音域と比較して難しいため、曲で1度出てきてしまうと、かなり苦労してしまうことが予想されます。
しかし、普段から音階を使って最高音・最低音ともに音を出しておけば、これらの音が出てきても抵抗感なく演奏することができるはずです。
また、最高音・最低音の演奏に慣れておけば、他の音はかなり吹きやすくもなっていきます。
調号や臨時記号に慣れることができる(譜読みが速くなる)
音階を毎日のように練習していると、次第に暗譜で演奏できるようになってきます。
そうすると例えばニ長調(D-Dur)の楽譜は「レミファ#ソラシド#レ~」と続いていきますが、ファとドに#が付くと暗譜できていると、「レミファソラシドレ」と調号や臨時記号を外して読むことができるようになるのです。
調号や臨時記号が出てくる都度、読んでしまうと時間がかかります。
しかし、このように音階を暗譜できていると、ほとんどの音で、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の7通りから音を選ぶだけとなり、1つ1つの音で#・♭を考えるよりも、楽譜を読むスピードが圧倒的に上がってきます。
これができるようになってくると、曲練習の時間を短縮でき、基礎練習により多くの時間を割くことが可能です。
曲練習はその曲でしか使えないテクニックが多いですが、基礎練習はどの曲にも使える技術を学ぶことができるため、よりサックスの上達が早くなるという好循環を生むことができるようになります。
指回しが速くなる
先ほど紹介した教本、「Perfect Scale for Saxophone Vol.1 Basic」では、通常の音階の他に、「3度練習」「4度練習」「分散和音」の音階練習も組み込まれています。
曲はこれらの音階を組み合わせたパターンでできているので、教本に書かれた基礎パターンを網羅して練習しておけば、曲においても苦労せず指回しができるようになってきます。
また前述した通り、「Perfect Scale for Saxophone Vol.1 Basic」では正しい指使いが書かれているのが特徴でした。
正しい運指で音階に取り組むことで、曲においても、より効率の良い運指を選ぶことができるようになるので、スムーズに指回しを行うことができるようになります。
サックスのスケール練習への考え方
著者は、サックスのスケール練習においては、「騙されたと思ってやってみる」というスタンスがちょうどよいと考えています。
音階練習は地味で苦しい練習、そう思ってしまう人も多いでしょう。(以前の私自身もそうでした。)
しかし、プロ奏者をはじめとして、上手い人は必ず、音階・スケール練習を重要視しています。
スケールが吹けるようになると、メリット部分で前述したように、劇的に演奏や、楽譜の見え方が変わります。
著者も含め、サックス講師が退屈なスケール練習を行うように指示するのは、これらのメリットを知っているからです。
一方でスケールが吹けない演奏者は、このメリットを肌で感じることができていないため、なぜそこまでスケール練習にこだわるのかが分からないと思います。
ですので、皆さんも騙されたと思って、根気よく練習してください。裏切られることは、絶対ありません。
できるようになれば、必ず皆さんも後輩などに指導する際に、スケールを練習するよう指導するはずです。
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