「クラリネットはやはりクランポンの中から購入したいけど、どの楽器を選べばいいかわからない」このような悩みはありませんか?
実は1口に”クランポン”と言っても、様々な種類のクラリネットが発売されており、それぞれ特性が大きく異なります。
そこでこの記事では、吹奏楽CDのレコーディング30枚以上に携わった著者が、クランポンのクラリネットの特徴について詳しく解説していきます。
この記事を読めばクランポンのクラリネットの特徴を知ると同時に、自分が将来的にどの楽器を選ぶべきかという指針を立てることができるようになります。
ぜひ最後までお読みください。
ビュッフェ・クランポンについて
今回紹介するビュッフェ・クランポンについて簡単に振り返ります。
1825年に設立されたフランスの木管楽器メーカーです。2025年はビュッフェ・クランポン創立200年の記念すべき年となっています。
特にクラリネットの分野では、創立当時から高い評価を受けており、今なおクラリネットのトップメーカーとして君臨しています。
スチューデントモデルからプロフェッショナルモデルまで、様々な機種のクラリネットを販売。
特にプロフェッショナルモデルは、「プロの8割が使用している」と言われるほど、圧倒的なシェアと人気を誇っています。
クランポンの特徴~ヤマハとの比較
クランポンのクラリネットの全体的な特徴として言われているのは、奏者の演奏が素直に音に反映してくれる、という点です。
この自由度の高さがクランポンのクラリネットが愛される最大のポイントです。
ただし逆に言えば、自分で音色を作るという演奏技術が求められる裏返しでもあります。
ヤマハは意識せずに息をまとめてくれたり、はっきりとした音が出るように作られています。
自由度がやや欠ける反面、吹きやすさがあるという評価が一般的です。
グラナディラ製(木製)とグリーンライン
クランポンのクラリネットには各モデルに「グラナディラ製(木製)」と「グリーンライン」の2種類があります。
グリーンラインとは、通常の木製とは異なり、粉末状にしたグラナディラとカーボンなどの素材を配合した新素材で作られたクラリネットのことを指します。
木材と違って湿度や気温によるコンディション変化の影響を受けにくく、使用開始時から高いパフォーマンスを発揮することが可能です。
またグリーンラインは、均一な鳴りで音抜けがよく、輪郭のはっきりしたクリアな音色が特徴、重量と吹奏感は若干重めの素材となっています。
クランポンのクラリネット~それぞれの特徴
ここからは現在発売されているクランポンの各種モデルの特徴を紹介していきます。
R13
1955年に開発された、クランポンのクラリネットの中でもロングセラー商品。
全世界で1番売れているクラリネットと言っても過言ではないでしょう。
R13以前に発売されていたクラリネットの内径はきれいな円筒型をしていましたが、より複雑な「ポリシリンドリカル」という形状が採用され、音量・音質・音程が飛躍的に向上し、高い評価を受けています。
この形状・システムは今日でもクラリネットシステムの最高傑作として評価されています。
特にアメリカでの評価が高く、明るく華やかな音、ホールの隅々まで響き渡る大きな音というのが特徴です。
抵抗感を感じるやや重めの吹奏感で、密度の濃い音が出ます。
また楽器自体の自由度も高く、仕掛けや奏法によってはどんな表現にも対応できるという良さもあります。
ジャズなどのオールジャンルで使用しやすい楽器と言えるでしょう。
RC
RCは、R13を開発した技術者ロベール・カレと、20世紀のクラリネットの巨匠ジャック・ランスロが、R13とは全く異なる設計で開発したクラリネットで、1975年に発表されました。
内径はR13モデルよりもやや狭く設計されています。
長きにわたってR13・RCの2機種が、ビュッフェ・クランポンの2枚看板として君臨していました。
RCはまろやかでダークなサウンドで、柔らかく広がるような音がして、特にヨーロッパで人気を誇っています。
柔らかなサウンドが好みという方は、R-13よりもRC系統の楽器を選ぶ方が良いかもしれません。
軽やかな吹き心地で繊細な表現も得意というのも特徴の1つです。
Festival(フェスティバル)
先に紹介したR13と同様の内径を持つ上位ランクのモデルとなります。
音色の傾向としてはまとまりがあり、輝かしくリッチなサウンドです。
響きも遠達性があり、ホールの隅々まで音が飛んでいきます。
機種としてはミディアムモデルで、より上位機種もありますが、あえてFestivalを好んで使うプロの奏者もいらっしゃるのも大きな特徴です。
あらゆる音楽に対応できる汎用性の高さが魅力とされています。
Tosca(トスカ)
ToscaはFestivalよりもさらに上位機種の楽器となり、R13系統では最上位機種となっています。
吹き込んでも音色が破綻せず、柔らかな響きを残してくれます。
豊かな倍音と丸みを帯びた太い音色が特徴です。
音程感は向上しており、R13系統の中では最も音程が良い楽器です。
さらにスロートトーンがクリアに聴こえるのも嬉しいポイント。
Legend(レジェンド)
こちらはR13ともRCとも内径が異なる、第3の内径と呼ばれる構造を持つ楽器の中での最上位機種となります。
1950年以前のクランポンの主力楽器、BC20という「ストレートボア」と呼ばれる形状で製作されたのが、このLegendという楽器です。
近年では、コンクールなどでも使用頻度も増加傾向。
R13・RC系統の楽器よりも内径が細く、ブレスコントロールがしやすく息の節約がしやすいため、肺活量に自信のない方でも吹きやすい楽器となっています。
この内径の細さは、フレーズの長い曲を吹くには大きな力となってくれます。
ストレスなく、スムーズに演奏できる点もポイントです。
ただし一方で深く暗い音色を出すには、奏者の力量が必要となる点はデメリットかもしれません。
E13
こちらはスチューデントモデル・入門用の1つで、クランポンの中では安価で購入できる楽器となります。
40年間不動の人気を誇るモデルとして君臨しています。
このE13は、クラリネット界の巨匠、ジャック・ランスロ氏の使用していたBC20をもとに設計された楽器です。
ベルの形状はRCの形状を受け継いでいます。
スチューデントモデルとはいえ、上下管1本の木から削り出しており、適度な抵抗感がありつつ、深みのあるあたたかな音色が特徴です。
上位機種と同じ吹奏感を得られ、息圧のリミットが広く、表現がつけやすい楽器となっています。
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