【トランペットの歴史】演奏者が知っておきたい歴史を簡単にまとめ

「自分が吹いているトランペットの歴史について知らない」「楽器の知識を増やして上達の足掛かりとしたい」このような悩みはありませんか?

実は楽器の歴史を詳しく知ることは、自分がこれから使っていく楽器や仕掛け選びに大きな影響を与えていきます。

そこでこの記事では、吹奏楽CDのレコーディング30枚以上に携わった著者が、トランペットの歴史について詳しく紹介していきます。

この記事を読めば、トランペットの知識が深まること間違いなしです。

ぜひ最後までお読みください。

トランペット(ラッパ)の祖先となる楽器

トランペットの祖先となる楽器は、なんと新石器時代から存在していました。

人類が文字を使う前から、信号を送るために存在していた、とも言われています。

ただ、この時期の楽器はトランペットなのかホルンなのかを分類できないため、「ラッパ」全般の祖先であると解釈する方が自然でしょう。

歴史上最も古いものは、およそ3千年前のエジプトの出土品の中に見られます。

材質は金、銀、青銅のほか、土器、貝、象牙、木、樹皮、竹、瓢箪などで、形や長さも様々。

初期のトランペットには、当然現代のような音孔やバルブ機構などはなかったので、出せる音は倍音列のみに限られていました。

そのため、音階すべてを演奏できず、音楽を奏でるというよりも、主に軍事的な信号楽器として使われてきました。

10世紀ごろになると、楽器に穴をあけ、倍音以外の音を出せるように改良されていきます。

12世紀にもなると、管形が円筒に近づいていき、徐々に現代のトランペットの形に近づいていきます。

1240年に、イタリアでトゥベクタ (tubecta) という楽器を作らせた記録があり、これがトランペットの語源となっているそうです。

音楽的用途で用いられるようになるトランペット

16世紀に入ると、トロンバ・ダ・ティラルシ(Tromba da Tirarsi)という楽器が完成します。

これはスライド・トランペットのことで、18世紀後半までドイツの教会内で使用されたが、音程は長3度までしか下げられないという制約も存在しました。

同じく16世紀、宮廷のトランペット楽団が各音域に分かれ、音楽的に合奏されるようになってきました。

複数の音域のトランペットを使い、20人程のトランペット奏者でミサやテ・デウムが演奏されていた、と記録があります。

バロック時代のトランペット

バロック時代は1600~1750年ほどの時期を指し、現代のクラシックの名曲と言われる楽曲が生み出され始めた時代となります。

バロックの時代は、ナチュラルトランペットが登場し、王宮や教会で演奏されることが多くありました。

ナチュラルトランペットの形や音は、この動画で参照することができます。

見た目で特徴的なのは、紐の部分。

現代の楽器はハンダ付けされていますが、当時はひもで結んでいました。

さらに紐の色で出身地や身分などを表していたようです。

ナチュラルトランペットにはピストンやロータリーがないため、全てリップスラーで音を変化させます。

そのため全ての音を出すことはできませんでした。

有鍵トランペット(キートランペット)の誕生

全ての音が出せないという、ナチュラルトランペットの弱点を克服するために開発されたのが、「有鍵トランペット(キートランペット)」です。

ナチュラルトランペットにあけた穴をキーで自在に開閉することで、全ての音を出すことに成功することができました。

木管楽器と近い構造で、キーを押して穴を開き、管を短くすることで高音を出すことができるようになります。

また、キーを片手で操作するため、管を曲げてコンパクトにまとまった形状をとっています。

ウィーンの宮廷トランペット奏者アントン・ヴァイディンガー氏が、この有鍵トランペットを開発したと言われていますが、諸説あるようです。

この有鍵トランペットの登場により、ハイドンとフンメルによって、現代でも名曲と名高いトランペット協奏曲が書かれました。(1804年に作曲されたフンメルのトランペット協奏曲は、有鍵トランペット最後の協奏曲と言われています。)

こちらの動画で、キートランペットにて演奏されたハイドン作曲のトランペット協奏曲の演奏を聴くことができます。

1750年以降、活躍をしていた有鍵トランペットですが、19世紀初頭のバルブ付きトランペットの登場と共に衰退し、現代の演奏ではまず見られなくなりました。

現代トランペットの礎、ピストン式トランペット

フランスの産業革命により、金属を曲げる技術が向上していきます。

それに伴い「バルブシステム」をトランペットに組み込むことに成功しました。

バルブシステムによって、穴を開けずに管の長さを変えることができるようになったのです。

現代の機構であるピストントランペットが開発された年は定かではありませんが、1826年にベルリオーズが書いた序曲では、既にピストントランペットの指定が楽譜でなされていました。

1839年に現代のものとほとんど同じ、3本のピストンを使ったトランペットが開発されました。

バルブシステムの搭載は楽器に革命をもたらし、半音階・複雑なメロディを奏でやすくなったことから、オーケストラや軍楽隊で急速に広がりをみせていきます。

19世紀後半からはジャズを始めとした様々な音楽ジャンルにも、トランペットが活用されるようになり、様々な伝説的な奏者を生み出していきます。

日本のトランペットの歴史~ニッカン・ヤマハ

日本では明治時代の初期に、西洋音楽とともに軍楽隊が創設され、それに合わせてトランペットをはじめとする金管楽器が輸入・使用されるようになりました。

大正時代に入ると、合資会社日本管楽器製造所(のちの日本管楽器株式会社・ニッカン)などが設立。

日本国内での管楽器製造がスタート、1937年からは日本楽器製造(現ヤマハ)がニッカンの経営に参画し、協力して楽器政策がなされます。

1965年にニッカンが「ニッカン・インペリアル」TR-1を、翌1966年にヤマハが初の国産管楽器第1号機となるトランペット「YTR-1」を発表し、国産のトランペットが産声を上げます。

1970年にはニッカンはヤマハに吸収合併され、その姿を消しますが、ヤマハは現在もなお、世界トップクラスの品質のトランペットを世に生み出しています。

「ニッカン・インペリアル」の音はこちらから聴くことができます。

歴史の最先端にある、現代のトランペットを安価で入手する方法はこれだ!

ここまで見てきたように、様々な歴史の積み重ねによって現代の高性能なトランペットが出来上がりました。

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