「自分にはどんなリードが合うか分からない」「たくさんあるリードのそれぞれの良さを知りたい」このようなお悩みはありませんか?
実は使用するリードによって、かなり音色や吹奏感が変わってきます。
そこでこの記事では、吹奏楽CDのレコーディング30枚以上に携わった著者が、クラリネットのリードについて、詳しく解説していきます。
この記事を読めばあなたに合ったクラリネットのリードがきっと見つかるはず。ぜひ最後までお読みください。
各メーカーの特徴~バンドレン
ここからはクラリネットのリードについて、各メーカーやシリーズの特徴について、詳しく解説していきます。
まずは最も有名なリードメーカー、フランスのバンドレン社を紹介します。
バンドレン トラディショナル(通称:青箱)

最も有名なリードメーカー「バンドレン」の長年にわたる主力商品である「トラディショナル」(通称:青箱)。
つまりクラリネットのリードの定番中の定番と位置付けることができます。
1箱開けると、それぞれのリードで品質のばらつきは目立ちますが、裏を返せばどんな方でも使えるリードがあると言い換えることも。
特に本当に素晴らしい品質の1枚をこの青箱で見つけると、どんなリードも凌駕すると言われています。
その1枚を探し当てるために、青箱を使用している方がいるくらいです。
音色は素朴で懐かしい感じ、全体を通して、良くも悪くも特徴のないリードと言えます。
特徴がない分、奏者の色を出しやすいため、好んで使う方が多いのかも。
短所としては、タンギングはやや苦手なリードかな、という印象があります。
バンドレン V12(通称:銀箱)

先ほど紹介した青箱と同じく、クラリネットリードの定番として愛されているリードの1つです。
太目で柔らかな音色が特徴で、これはアルトサックス用リードと同じ太さのケーンから作られていることに起因すると思われます。
青箱よりは均一に作られており個体差が少なく、当たりのリードも多く選べる印象です。
音色は温かみがあり雑音も少なく感じる一方で、輪郭がぼやけやすいというデメリットもあります。
厚みは感じるので、吹き込んでも破綻しにくいという良さも感じられるところ。
音色に柔らかさ・暖かさを求める奏者にとっては選択肢となる1枚です。
バンドレン ルピック56

バンドレン社から2000年に発売されたリードで、一部の奏者からは根強い人気を誇るのがこの「ルピック56」です。
ジャーマン・スタイルに似せたリードと言われています。(多くのリードはフレンチ・スタイル)
見た目に関しては、リードのかかと部分が他より厚めな点、そしてアンファイルドカットである点に特徴があります。
またマウスピースに装着してみるとわかりますが、他のバンドレンリードと比較して、細身です。
細身の形状からスリムでクリアな音色を楽しむことができ、発音は速くレスポンスの良さを感じます。
品質は青箱・銀箱と比較しても安定している印象があります。
短所としては柔らかい音を出すのは少し苦手かもしれません。
バンドレン V21

V12とルピック56の良いとこどりを目指して、2015年に発売されたバンドレン社の最新リードです。
吹奏感はやや重めに感じやすいかもしれません。
音ムラが少なく、跳躍もしやすいリードとなっています。さらにタンギングもしやすいリードです。
音色は明るく・はっきりと吹けるリードと感じます。
各メーカーの特徴~ダダリオ
次にバンドレンと双璧をなすフランスのメーカー「ダダリオ」のリードについて解説していきます。
リードメーカーの「リコ社」が、2004年にダダリオの傘下に入りました。
ダダリオは全体的に、開封直後から演奏しやすい、品質にばらつきが少ないという特徴があります。
ダダリオ オーガニック レゼルヴ

音に芯もあり、機動力もある、音色とテクニックが両立するバランスの取れたリードです。
そんな中でもどちらかと言えば、テクニック系の曲に使いやすいリードになります。
オールジャンルに対応し、音が鳴りやすく、コントロールもしやすいので、初心者にもおすすめできるリードと言えるでしょう。
ヴァンドレンの青箱に似た印象を感じますが、音の丸みはダダリオレゼルヴの方がつくように聴こえます。
ダダリオ オーガニック レゼルヴ クラシック

音色は柔らかく、発音は明確で、深みがあり芯のある音が出る点が特徴のリードです。
バンドレンのV12に近い印象を抱きつつ、ややこのレゼルブクラシックの方が吹奏感は柔らかめに感じます。
発音はV12よりも明確で、音の粒が立ってクリアに聴こえる印象があります。
デメリットとしては、特にリードが消耗していくと音の中身が充実しにくく感じます。
ダダリオ オーガニック レゼルヴ エヴォリューション

丸く・太く・柔らかい重厚感のある音をリード自体が作ってくれる印象を感じます。
ただし速いパッセージを吹くときの機動力は若干劣るかもしれません。
また息をしっかり入れないと吹きこなせなく、弱音が作りにくい印象もあり、初心者向けとは言えません。
ダダリオシリーズは今回3種類紹介していますが、このエヴォリューションだけ、アンファイルドカットとなっています。
各メーカーの特徴~樹脂・プラスチックリード
近年、プラスチックリードの品質はどんどん向上してきています。
そんな中でも最も人気の高いプラスチックリードは「レジェール」シリーズです。
レジェール ヨーロピアンカット

レジェールリードも数多くの種類のリードが出ていますが、1番人気なのはこの「ヨーロピアンカット」です。
どんな気温や湿度でも、一定の状態で吹けるというのが樹脂リードの大きなメリットです。
リードを育てる時間も必要なく、最初から本番でも使うことができます。
デメリットとしては高音域の音色がかなり細くなってしまうという点です。
それと注意点ですが、プラスチックリードにおいても、個体差は大きいと考えておいてください。
可能な限り、楽器店で試奏・選定をしたうえで購入することをおすすめします。
クラリネットリードの硬さ比較表
クラリネットのリードには数値でリードの硬さを表します。
しかし、同じ番号のリードであっても、リードのモデルによって硬さは微妙に異なります。
硬さ・強度の比較をした一覧は次の通りです。

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