「クラリネットを吹いてるけど、なかなか良いリードに巡り合えない」このような悩みはありませんか?
クラリネットのリードの管理方法には、明確な答えがあります。
そこでこの記事では、吹奏楽CDのレコーディング30枚以上に携わった著者が、クラリネットのリードの力を最大限に発揮するために、リードの育て方・つけ方について、詳しく解説していきます。
この記事を読めば、あなたもリードの力を最大限に引き出せ、良い音が出るようになるだけでなく、使えるリードが増えてコストパフォーマンスの向上にもつながります。
ぜひ最後までお読みください。
リードの選び方・育て方
リードを育てるとは?
葦のリードを使う限り、「リードを育てる」という工程から逃げることはできません。(樹脂リードは育てる必要はなく、最初から本番でも演奏可能です。)
葦のリードは「湿らす」→「乾く」といった過程で、徐々に状態変化していきます。
その状態変化のピークを本番の日にもっていくため、リードの状態を見極めて吹いていく必要があります。
リードの選び方と育て方の具体的な手順
1箱のリードを全て開ける
リードを購入したら、箱に入っている全てのリードを開けましょう。
1枚ずつチマチマと開けるのではなく、10枚全てを開けるようにします。
買ったリードを全て開けるのにはいくつかの理由があります。
1つ目の理由はリードには「個体差がある」ということです。
リードは同じ型番・同じ番手であっても、微妙に硬さが異なります。
実際にそれぞれのリードで演奏してみて、自分にとって吹きやすいリードを探す必要があるのです。
2つ目の理由は「リードを選ぶ技術」を身につける必要があるからです。
同じ型番・番手のものを多く吹くことで、自分に合ったリードを選ぶ技術が身についてきます。
リード選びは演奏技術と同じく、練習して身につけるものです。
3つ目の理由は1枚のリードを使い続けると、寿命が短くなるからです。
複数枚のリードを使い分けた方が、リードは長持ちします。
普段使いのリードでウォーミングアップする
普段使っている、比較的良いリードでウォーミングアップ、スケールなどの基礎練習を少ししておきましょう。
ウォーミングアップを行う理由は、良いリードの感覚を思い出すためです。
この感覚に近いリードを選べるように準備していきます。
開けたリードを吹いてみる(1分以内!)
前述した通り、リードは「湿らす」→「乾く」といった過程で、徐々に状態変化していきます。
開けたてのリードは状態変化が激しいです。
そのため開けたてのリードは、1分以上吹かないように注意してください。
ここで吹きすぎてしまうと、すぐにリードがダメになってしまい、寿命も短くなってしまいます。
またリードを水につける方もいますが、個人的には口で舐める程度で十分だと思います。(水につける方法が合う方もいると思うので、気になる方は試してみても良いですが、湿らせすぎないよう注意してください。)
リードの吹き心地を分類する
10枚全てのリードを吹いてみて、吹き心地によって分類します。
1分以内の演奏を10枚全てで行うのを2セットやりましょう。
2セットやるのは、水が1回入るとリードの印象が変わるからです。
分類する際の注意点としては「良い音を出そうとしないこと」「自分の奏法を変えないこと」です。
今吹いているリードで良い音を出そうとして、自分の吹き方を変えてしまうと、良い音は出るかもしれませんが、道具に合わせてしまうことになります。
自分の奏法を貫いて、良い音がでるリードが良いリードです。
吹き心地の分類としては、硬さ・抵抗感を中心に考えます。
個人的には「S」と「H」という2つのアルファベットを使って分類しています。
SはSoft(柔らかい)、HはHard(硬い)という意味です。
S→SH→HS→Hの順番で、硬いリードとしています。
柔らかいリードは息がすぐ音になってくれる感じがしますが、吹き込むと音色が暴れやすいです。
一方で硬いリードは響きはありますが、吹奏感が悪く、コントロールが難しくなりがちです。
どのくらいの硬さ・抵抗感が好みかは奏者によって分かれます。
たくさんのリードを吹いて、自分に合う抵抗感のものを探せるように、リード選定の技術も磨いていきましょう。
1箱で本番用に使えるのは2~3枚、練習用まで含めると5~6枚でしょうか。
著しくこの割合から外れる場合は、リードの型番・番手が会っていないか、マウスピースが劣化しているかを疑いましょう。
リードの型番についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。
>【クラリネットのリード比較】おすすめのリードはこれだ!~バンドレン・ダダリオ・リコ・レジェール
1~2週間かけて少しずつ吹く時間を伸ばしていく
最初は1分以内と吹く時間を限定しましたが、徐々に吹く時間を伸ばしていきます。
水を含んでいくとリードの状態は変化していくので、しばらくは全10枚のリードを吹いていくのがおすすめです。
1~2週間して状態が安定してきたら、良いと思うリードを練習・本番で使うものとして別に管理します。
育てたリードの寿命をむかえる前に新しいリードを開ける
ここまで解説してきた通り、リードを育てるには時間がかかりますし、買ったばかりのリードは長時間吹くことができません。
そこで必ず使えるリードがあるうちに、次のリードを開けて育て始めることが非常に重要になります。
寿命を迎えたリードは吹かずに捨てる
リードは消耗品です。そのため必ず吹きにくくなったり、良い音が鳴らなくなる時が来ます。
寿命を迎えたリードで演奏し続けると、上達の妨げとなります。
リードの寿命を見極める1つの基準が「抵抗感」が少なくなったときです。
抵抗感がなくなると、息圧を強くかけたときに音がつぶれてしまいがちになるので、これがリード交換のサインです。
また長い曲を演奏しきれなくなったときも交換の基準になります。
寿命となったリードは1曲をいい状態で吹き切ることはできません。
他にも音色が劣化し、前より良い音がしなくなったときも交換のサインです。
これらの感覚がわからない、という場合は1ヶ月など日にちを決めて、強制的に交換してしまうのも1つの方法となります。
リードの取り付け方
リードの取り付け方によって、吹奏感や音色が変わります。
これから解説するリードのつけ方を理解しておくと、練習・本番候補で使えるリードが増えてきます。
リードの取り付ける位置はマウスピースの先端とぴったり合わせるのが標準です。
しかし、リードを髪の毛1本ほど上下させることで、リードの印象を大きく変えることができます。
リードを髪の毛1本分下げると、抵抗感が少なくなり軽い吹奏感で吹くことができます。
硬いリードであっても吹きやすくなるのでおすすめの方法です。
逆にリードを髪の毛1本分上げると、重めの吹奏感となり、リードのコシを強く感じることができます。
自分に合ったリードをより上級モデルの楽器で吹こう!

自分に合うリードで演奏することでより良い音を手に入れることができますが、やはりグレードの高い楽器で演奏した方がさらに良い音が奏でられるもの。
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