「ビブラートがうまくかからない」そんなお悩みはありませんか?
実はサックスのビブラートは、かけるだけならそれほど難しくありません。
この記事では、吹奏楽CDレコーディングに30枚以上携わった著者が、サックスのビブラートのかけ方と美しくビブラートをかけるコツ、更にビブラートに関するよくある質問について回答していきます。
この記事を読むことで、あなたも美しいビブラートを身につけるための練習方法を学ぶことができます。ぜひ最後までお読みください。
サックスのビブラートのかけ方

サックスを演奏しながら、「アウアウアウアウ」と顎(あご)を動かします。
「ア」と発音したときは口の中が広くなることで音程が下がり、「ウ」と発音したときは口の中が狭くなることで音程が上がります。
この音程の上下によって、ビブラートの波ができるのです。
なお、必ず音程を下げる方からビブラートはスタートするため、「アウアウ」の順番で演奏します。「ウアウア」とならないようにしてください。
まずは不格好でも、音がきちんと揺れていることを確認しましょう。
ビブラートの練習方法
ビブラートの基本的な練習は、まずメトロノームを♩=60~72の間でセットします。
そして下記の楽譜のように、1拍の中の波の数を1拍に1つから始め、2つ→3つ→4つと順に増やしていく練習が効果的です。

この練習のポイントは、波の深さを一定にできるように注意することです。
音の頭でビブラートを強くかけ過ぎてしまったり、波が途中でなくなってしまったりしてはいけません。
ロングトーンと同じように真っ直ぐ息を入れ、顎だけ動かします。
美しいビブラートにするために
ビブラートの基礎練習で、一定の深さの波をかけられるようになると、いよいよ曲で実際にビブラートをかけてみる段階に入ります。
曲でビブラートをかけてみると、思っていたよりしっくりこないと言う方が多くいらっしゃいます。
原因はビブラートのかけすぎです。
サックスのビブラートは、楽器を吹きながら「アウアウ」と顎を動かすという点については間違えないのですが、顎の動きはごくごくわずか(数ミリ程度)で、「ア」と「ウ」の発音の差はほとんどありません。
顎の動きを最小限にして、ビブラートをかける練習に取り組んでみてください。もちろん、波が全く無くなってしまうようではいけません。
理想は難しいですが、ロングトーンとビブラートが両方聴こえる状態になることです。
多くの方がビブラートの波がうるさく、ロングトーンの音が聴こえない状態になっているはずです。
ビブラートに関するよくある質問
レッスンをしているとよく尋ねられる、ビブラートに関する質問について回答していきます。
Q1.ビブラートの練習はいつから始めればよいですか?
ビブラートの練習を始めるには、「音をまっすぐ伸ばせること」が必要です。
ビブラートはわざとアンブシュアを動かして、音を揺らします。
音をまっすぐ出すには、アンブシュアが安定していることが必須条件です。
音がまっすぐ伸ばせないうちからビブラートを始めてしまうと、音の揺れがビブラートによるものなのか、アンブシュアの不安定さによるものなのかが分からなくなります。
Q2.ビブラートの速さについて、テンポはいくつに設定すればよいですか?
ビブラートのテンポは、♩=72に4つの波を入れるのが基本となります。
これはサックスの神様と言われ、ビブラート奏法を開発したマルセル=ミュール氏が提唱したテンポです。
タンギング練習と違って、テンポを上げれば上げるほど良い、という訳ではないので注意してください。
指定テンポが♩=72の曲の場合は4つの波を入れ、♩=72よりも速い曲の場合は1拍に波を3つなど数を減らし、逆に♩=72よりも遅い曲の場合は1拍に波を5つなど数を増やします。
Q3.アルトサックス以外(テナー・ソプラノ・バリトン)でのビブラートのコツはありますか?
アルトサックスを基準とすると、アルトより大きい楽器であるテナーやバリトンはアンブシュアをより大きく、小さい楽器であるソプラノではより小さくアンブシュアを動かす必要があります。
ですが前述したように、多くの方にアンブシュアを動かしすぎな傾向が見られます。
よく耳を使って、波がかかりすぎていないか、自分の音を聴いてみてください。
Q4.喉やお腹を使ってビブラートをかける楽器もありますが、サックスでは使わないのですか?
サックスでは基本的には使いません。
この記事で解説してきたように、顎で波を作るのが正しいサックスのビブラートです。
楽器のグレードを上げて、より美しいビブラートを奏でてみませんか?

美しいビブラートを聴かせるには、美しい音色が必要です。
そして美しい音色は、よりグレードの高い楽器を手にすることで、生まれやすくなります。
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