金管楽器のひとつで、人間の声にもっとも近いと言われることもあるトロンボーン。トロンボーンを練習していく上で、「トロンボーンの正しい音階の吹き方は?」「トロンボーンの音階練習の方法は?」など、疑問を持つ方もいるでしょう。
そこで本記事では、トロンボーンの演奏を上達させたい人のために、トロンボーンの音階の特徴や音階練習、つまずいたときの対処法などを解説します。
- トロンボーンの音階の特徴
- トロンボーンのスライドポジションと音階の関係
- おすすめの音階練習
- よくある音階練習のつまずきと対処法
最後に、おすすめの音楽教室も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
トロンボーンの音階とは?基本のドレミを理解する

まずは、そもそも音階とはどのようなものなのか、トロンボーンにおける音階の特徴は何かについて解説します。音階の練習を始める前に、理解しておくと安心です。
そもそもの音階とは?
音階とは、音楽を構成する個々の音を、音の高さ順に整然と並べた列のことです。簡単に言うと、「ドレミファソラシド」の並びになります。また、音階には長音階(メジャースケール)と短音階(マイナースケール)の2種類があり、違いは以下の表の通りです。
音階 | 長音階(メジャースケール) | 短音階(マイナースケール) |
音の並び | ・全音→全音→半音→全音→全音→全音→半音 | ・全音→半音→全音→全音→半音→全音→全音・全音→半音→全音→全音→半音→全音→半音→半音・全音→半音→全音→全音→全音→全音→半音のいずれか |
雰囲気 | 明るい | 悲しい |
音の高さの種類である「ド・ド#(レ♭)・レ・レ#(ミ♭)・ミ・ファ・ファ#(ソ♭)・ソ・ソ(ラ♭)・ラ・ラ(シ♭)・シ」の隣同士が半音で、1つ飛ばしの音が全音です。
トロンボーンにおける音階の特徴
トロンボーンの音階は、スライドのポジション(位置)を変えて、管の長さを変えることで音が決まる仕組みになります。7つあるスライドポジションを覚えて、操作できるようにしておくことが重要です。
他の楽器と比較すると、演奏方法を覚えることは簡単ですが、スライドポジションは明確な位置が決まっていません。少しずれるだけで音程が変わってしまうので、しっかり練習することが大切です。
トロンボーンのスライドポジションと音階の関係

続いて、トロンボーンのスライドポジションと音階の関係について紹介します。音階の練習をする際は、以下の内容について知っておくことが大切です。
- スライドポジションとは?
- 各ポジションで出せる音
- ドレミファソラシドをトロンボーンで演奏するには?
それぞれ、詳しく解説します。
スライドポジションとは?7つの基本ポジション
前述したとおり、トロンボーンはスライド管を使って管の長さを変えることで、音階をコントロールします。スライド管をスライドする位置のことを、「スライドポジション」と呼びます。スライドポジションは7つあり、手前から第1ポジション、第2ポジションと呼び、第7ポジションまで続きます。
スライドポジションの位置は、管に目印があるわけではないため、感覚で覚えなければいけません。大体の位置は、以下の画像や表の通りです。

スライドポジション | 位置 |
第1ポジション | スライドを完全に入れずに、3mmくらい抜いておくと良い |
第2ポジション | 第1ポジションと第3ポジションの間 |
第3ポジション | スライドの支柱がベルの横あたり |
第4ポジション | スライドの外側の端が、ベルのきわ |
第5ポジション | 肘を真っ直ぐまで伸ばしたところスライドの位置ではなく、肘の感覚で掴むと良い |
第6ポジション | ストッキング(スライドの先端にある線)を越えないところ肘をピンと伸ばすようなイメージ |
第7ポジション | ストッキングを越えた先肘を限界まで伸ばすイメージ |
以上の画像や表をもとに、感覚で覚えることを意識して演奏しましょう。
各ポジションで出せる音(B♭管)
各ポジションで出せる音は、以下の表の通りです。
スライドポジション | 出せる音 |
第1ポジション | B♭、F、D |
第2ポジション | A、F♭、D♭、G |
第3ポジション | A♭、E♭、C、G♭ |
第4ポジション | G、D、C♭、F |
第5ポジション | G♭、D♭、B♭ |
第6ポジション | F、C |
第7ポジション | E、C♭ |
ポジションを1つ分長くすることで半音下がり、1つ分短くすると半音上がります。また、1つのスライドポジションで複数の音を出すことが可能です。
ドレミファソラシドをトロンボーンで演奏するには?
「ドレミファソラシド」をトロンボーンで演奏するためのポジションは、以下の表の通りです。
ドレミ表記 | ドイツ音表記 | ポジション |
ド | C | 第6ポジション |
レ | D | 第4ポジション |
ミ | E♭ | 第3ポジション |
ファ | F | 第1ポジション |
ソ | G | 第4ポジション |
ラ | A | 第2ポジション |
シ | B♭ | 第1ポジション |
ド | C | 第3ポジション |
まずは、上記の表を参考にして「ドレミファソラシド」を演奏できるように練習しましょう。
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おすすめ音階練習

ここからは、おすすめの音階練習を紹介します。
1つ目は、「ロングトーン+音階」の練習です。ロングトーンは、音をどれだけ長く伸ばせるかではなく、正しいピッチを保ちながら息を吐き続けることが重要です。ただロングトーンの練習をするだけでも問題ないですが、音階練習と組み合わせることで、より上達に近づきます。
具体的には、毎日違う音階でロングトーン練習をすることです。ロングトーンの技術を上達できるだけではなく、音階を覚えることができます。さらに、飽きることなく楽しく練習できる点も魅力です。
2つ目は、「1オクターブの上昇・下降」の練習です。「ドレミファソラシド」と上昇する音階と、「ドシラソファミレド」と下降する音階の両方を演奏します。ロングトーンと同様に、毎回同じ音階で練習するのではなく、違う音階で練習することがおすすめです。
3つ目は、「メトロノームを使ったリズム音階練習」です。それぞれの音階を、メトロノームを使って一定のリズムで練習します。練習を重ねることで一音一音をクリアにして、息のコントロールを学ぶことが重要です。
まずはゆっくりとしたテンポで各ポジションの位置を確認しながらスライドを動かし、少しずつテンポを速くして練習しましょう。また、スライドの動きを鏡で見て確認することも、上達する秘訣です。
よくある音階練習のつまずきと対処法

最後に、よくある音階練習のつまずきと対処法について紹介します。紹介する内容は、以下の通りです。
- 音が不安定になってしまう場合
- ポジションが曖昧になってしまう場合
それぞれ、詳しく解説します。
音が不安定になってしまう場合
音が不安定になってしまう場合は、息の量や口の形、スライドを動かすスピードを調整することで対処できます。調整するポイントは、以下の表の通りです。
調整するポイント | |
息の量 | ・低い音は「トォー」中くらいの音は「トゥー」高い音は「ティー」という吹き方を意識する ・息をたくさん吹くというよりは、息のスピードを意識する |
口の形 | ・唇の位置は、マウスピースの中央に設定する ・口を軽く閉じて、上下の歯を3mmほど開け、口角を少し引いて微笑むような形を意識する ・唇が厚い人は上唇を少し前に出すなど、自分の唇の特徴に合わせて調整する |
スライドのスピード | ・力強く握りしめるのではなく、ある程度力を抜いて持つ ・肘の位置は固定して、手首の動きを使ってスライドを動かす ・音を出す前に、ポジションへ到達させることを意識する |
上記の表を参考に、調整してみましょう。
ポジションが曖昧になってしまう場合
スライドポジションが曖昧になってしまう場合は、チューナーアプリを活用しましょう。チューナーアプリを活用することで、自分が演奏している音のどこが合っていて、どこが間違っているかどうかを確認できます。
また、自分の演奏を録音して、演奏したい楽曲の音源と聴き比べることもおすすめです。
プロに直接見てもらうことで上達のスピードを上げよう

今回は、トロンボーンの音階の特徴やおすすめの音階練習、よくある音階練習のつまずきと対処法について紹介しました。独学でトロンボーンを練習することも良いですが、音楽教室に通って教えてもらうことも上達への近道です。一人ひとり体格や癖は異なるため、適切な方法で演奏できているかどうかが、自分では気が付きにくいためです。
GIFT MUSIC SCHOOLでは、実際に活躍しているプロの音楽家が1on1でレッスンをします。プロが目の前で見本を見せながら教えてくれるため、何ができていて何ができていないのかが分かります。また、どのように改善していけば良いかを言葉で説明するため、圧倒的に上達スピードが上がるでしょう。
GIFT MUSIC SCHOOLでは、体験レッスンも行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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