柔らかい音から歯切れの良い音まで、幅広い音色が特徴のトロンボーン。そんなトロンボーンの練習中、「タンギングが難しい」と感じることはありませんか?
タンギングは、トロンボーン初心者が必ずつまずくポイントのひとつです。タンギングにつまずいてしまう場合は、原因を特定して解決することが重要です。
そこで本記事では、タンギングができない原因や解決策、正しいタンギングを身につける方法などを解説します。「トロンボーンを上達させたい」と考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。
- トロンボーンにおけるタンギングとは
- 初心者がよくつまづくタンギングの悩みと解決策
- 正しいタンギングを身につけるためのポイント
- タンギング練習方法
- おすすめの音楽教室
トロンボーンにおけるタンギングとは?

トロンボーンにおけるタンギングとは、舌で息の流れを区切り、音を整理する技術です。息と舌を上手に組み合わせることで、さまざまな音色を表現できます。息で音を作り、舌で形を整えるようなイメージです。
タンギングの基本の発音は、「Ta」「Tu」「Da」の3種類があります。それぞれの特徴は、以下の表の通りです。
発音 | 特徴 |
---|---|
Ta | 舌は上の歯の裏側にある付け根に軽く触れて離れることで、息の流れを区切って音を形成する |
Tu | 舌の先を上の歯の裏側に軽く当て、息を吐くと同時に舌を離して発音する |
Da | 舌を口蓋に近づけて、音を発する際の「音」のイメージ |
まずは、基本となる「Ta」「Tu」「Da」を身につけることが大切です。他の発音も使いこなせるようになると、表現の幅が広がります。
初心者がよくつまずくタンギングの悩みと解決策

ここからは、初心者がよくつまずくタンギングの悩みと解決策について紹介します。初心者がつまずきやすい悩みは、以下の4つです。
- 音が詰まってしまう
- 速いフレーズで追いつけない
- 音が汚れる・バラバラになる
- スラーとの切り替えがうまくできない
それぞれ、解決するための方法を詳しく紹介します。
音が詰まってしまう
タンギングで音が詰まってしまう場合は、舌を強く当てすぎている可能性があります。強い音を出そうとすると、思いきり舌を突こうと考えるかもしれませんが、避けてください。トロンボーンの音は、舌ではなく「息で作るもの」ということを忘れないようにしましょう。
また、息の流れが止まっている場合も、音が詰まる原因になり得ます。息の流れが止まっているときは、タンギング直後に舌の先端が口の中の高い位置で浮いている場合がほとんどです。舌の先端が浮いていると息の流れを邪魔するため、離れた舌はリラックスして、タンギング前の位置に戻すように心がけましょう。
速いフレーズで追いつけない
トロンボーンで速いフレーズを演奏する際に追いつけない場合は、舌に力が入りすぎている可能性があります。舌先をリードに触れるように強く当てるのではなく、最小限に触れるように心がけましょう。
音が汚れる・バラバラになる
トロンボーンの音が汚れたりバラバラになったりする場合は、顎や喉に力が入っている可能性があります。タンギングをするときに「舌を使わなければ」「Taの発音をしなければ」など、さまざまな点を意識するでしょう。意識することは大切ですが、意識を向けすぎると余計な力が入ってしまうのです。
スラーとの切り替えがうまくできない
スラーとの切り替えがうまくできない場合は、息の流れの意識が足りないことが原因だと考えられます。タンギングをしているときに息の流れが止まってしまうと、タンギングしたあとの音の出だしが潰れたり、弱まったりする場合があります。
正しいタンギングを身につけるためのポイント

正しいタンギングを身につけるポイントは、4つあります。
1つ目は、舌の使い方です。舌は「突く」のではなく、「触れて離す」ことを心がけましょう。舌を強く当てすぎていると、舌の動きが遅くなって速いフレーズに追いつけなくなります。
2つ目は、舌が離れたあとはリラックスさせることです。タンギング直後に舌の先端が口の中の高い位置で浮いていると息の流れが止まり、音が詰まってしまう可能性があります。離した舌はリラックスした状態で、タンギング前の位置に戻しましょう。
3つ目は、顎を不必要に動かさないことです。顎を動かしてしまうと音が不安定になるため、顎を固定することは非常に重要です。舌のみを独立させて、舌先がマウスピースに触れることを意識しましょう。
4つ目は、息の流れを止めないことです。息の流れが止まると音が詰まり、演奏しづらくなってしまいます。ロングトーンを演奏するときと同じように、なめらかな演奏を意識しましょう。
今日からできる!タンギング練習方法

初心者におすすめのタンギング練習方法は、5つあります。
1つ目は、「口だけで「Ta」「Tu」を繰り返す」方法です。舌で「Ta」「Tu」と発音するイメージで、舌が素早く動くように練習しましょう。アンブシュアや顎はできるだけ動かさず、舌だけを動かすように意識することが重要です。
2つ目は、「マウスピースだけで試す」方法です。まずはマウスピースに唇をしっかり密着させて、唇を振動させ「ブー」と音を出します。その後、「Ta」の発音でタンギングを行いましょう。息の流れを止めないように意識しながら、マウスピースから唇を離さないように心がけてください。
3つ目は、「ロングトーンにタンギングを重ねる」方法です。「シングルタンギング」とも言われています。ひとつの音を長く伸ばし、その音の中でタンギングを行う練習です。初めは4分音符を基準に、一定の間隔でタンギングを行いましょう。練習に慣れてきたら、少しずつ8分音符、16分音符へと発展させることがポイントです。
4つ目は、「メトロノームに合わせて練習する」方法です。演奏するときの音の長さはテンポによって変わるため、基準となるテンポが必要になります。メトロノームを使用すると、リズム感も鍛えられるでしょう。メトロノームを持っていない場合は、スマートフォンのアプリを活用することもおすすめです。
5つ目は、「短い曲のフレーズで実践する」方法です。上記の練習のあとは、実際の曲で実践してみましょう。初心者におすすめの曲は、「Pirates of the Caribbean(パイレーツ・オブ・カリビアン)」や「Amazing Grace(アメイジング・グレイス)」などです。まずは、短いフレーズから練習してみましょう。
プロに直接見てもらうことで上達のスピードを上げよう

トロンボーンにおけるタンギングとは、舌で息の流れを区切り、音を整理する技術です。息で音を作り、舌で形を整えるようなイメージで行います。まずは、「Ta」「Tu」「Da」の基本の発音から練習しましょう。
初心者がよくつまずくタンギングの悩みは、音が詰まったり速いフレーズで追いつけなかったりなど、さまざまです。正しいタンギングを身につけるには、舌は「突く」のではなく、「触れて離す」ことを心がけ、息の流れを止めないように意識することが大切です。自分で練習できる方法もいくつかありますが、音楽教室のレッスンを受けると、さらに上達できます。
GIFT MUSIC SCHOOLでは、実際に活躍しているプロの音楽家が1on1でレッスンをします。プロが目の前でお手本を見せながら教えてくれるため、何ができていて何ができていないのかが具体的に分かります。また、どのように改善していけば良いかを言葉で説明するため、圧倒的に上達スピードが上がるでしょう。
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