【合奏の基本#5】合奏で「周りの音を聴く」とは|少し小さく吹いて、隣の楽器と低音の2つを聴く

合奏で「周りの音を聴いて」と言われる。でも、自分の音を出すだけで精一杯で、周りの音なんて聴こえない。初めての合奏で、ほぼ全員が感じることです。そして「聴く」が何をすることなのか、具体的に教えてもらえる機会はあまりありません。

結論からお伝えします。「周りの音を聴く」とは、自分の音を「周りより少し小さく」出して、隣の楽器と低音の2つを聴くことです。全部の楽器を聴く必要はありません。この記事では、何を聴くか、どうすれば聴こえるようになるか、聴こえると何が変わるかを書きます。【合奏の基本】シリーズの第5回です。第4回は合奏前の楽譜の準備でした。

聴こえない原因は、自分の音が大きすぎること

周りの音が聴こえないのは、耳が悪いからではありません。自分の音が自分の耳にいちばん近いので、周りと同じ音量で吹くと、自分の音しか聴こえない状態になります。初めての方ほど「ちゃんと出さなきゃ」と大きく吹くので、ますます聴こえません。

解決は簡単で、周りより少し小さく吹くことです。音量を2割落とすと、隣の音が急に聴こえ始めます。合奏では「吹けている人」より「聴けている人」の方が、全体の音をよくします。

聴くのは2つだけ:隣の楽器と、低音

隣の楽器:タイミングと音程の基準

同じパートか、隣に座っている楽器の音を聴きます。入るタイミング、音の切り方、音の高さ。これを隣に合わせるだけで、自分の音が合奏の中に収まります。「隣と同じことをする」が、合奏でいちばん確実な方法です。

低音:テンポと和音の土台

チューバやバリトンサックス、コントラバスなどの低音は、曲のテンポと和音の土台を作っています。低音の動きが聴こえると、休符を数えなくても曲の位置が分かるようになり、自分の音の高さも合わせやすくなります。指揮を見る余裕がないときは、低音を聴いていればテンポから外れません。

楽団れべま!の集合写真。チューバやトロンボーンなど低音楽器を持った参加者が後列に並んでいる
後列の低音楽器が、合奏のテンポと和音の土台です(写真:楽団れべま!)

聴こえるようになる3つの練習

  1. 1回、吹かずに聴く:曲を1回通すとき、わざと吹かずに座って聴きます。誰が何を吹いているかが分かると、次に吹いたときに自分の位置が分かります
  2. ロングトーンで隣に合わせる:基礎合奏のロングトーンで、自分の音を隣の音に溶かすつもりで出します。音程が合うと、うなり(ワンワンという揺れ)が消えます。それが「合った」合図です
  3. メロディ以外を聴く:家で音源を聴くとき、メロディではなく低音や伴奏を追いかけて聴きます。合奏で聴くべき音を、耳が先に覚えます

聴こえると、合奏が「作業」から「会話」に変わります

周りの音が聴こえる前の合奏は、自分の楽譜を間違えずに吹く作業です。聴こえるようになると、隣の人が大きくしたら自分も大きくし、低音が遅れたら待つ、という会話になります。この段階に入ると、合奏が「緊張する場所」から「楽しい場所」に変わります。初めての方がこの段階に入るまでに必要なのは、技術ではなく、合奏の回数です。

楽団れべま!の合奏中。サックスやクラリネットの奏者が隣同士で座り、譜面台を前に演奏している
隣の音に合わせる。合奏でいちばん確実な方法です(写真:楽団れべま!)

「聴く」を少人数で練習する場所

周りの音を聴く練習は、大人数の合奏より少人数の方が早く身につきます。音が少ないので、隣と低音がはっきり聴こえるからです。岡山の合奏初心者のための練習会「れべみ(レベルミニマム)」は、少人数の基礎合奏とフレックス編成の1曲で、指揮を見る、休符を数える、周りの音を聴くという合奏の3つの基本を練習します。参加費は500円、見学は無料。少人数で聴く感覚をつかんでから、月1回の楽団れべま!の大人数の合奏に進めます。

楽団れべま!の練習後の集合写真。さまざまな楽器を持った参加者が並んでいる
聴けるようになると、この人数の合奏が会話になります(写真:楽団れべま!)

周りの音を聴く練習ができる場所

れべみ(岡山・合奏初心者の練習会・500円)

楽団れべま!の公式LINEのメニュー「れべみに参加」から登録できます。見学は無料です。

公式LINEで登録する

よくある質問

小さく吹いたら「もっと出して」と言われました

聴こえるようになってから、徐々に音量を戻します。最初から大きく吹いて聴こえない状態より、小さく吹いて聴こえる状態から育てる方が、結果として早く合奏に馴染みます。指揮者に言われたら、その場所だけ少し出せば大丈夫です。

音程が合っているかどうか分かりません

合っていないときは、音が揺れる「うなり」が聴こえます。うなりが消える方へ息の量や楽器の長さを少し動かしてみてください。音程がずれる原因と直し方は、スイラボのチューニングが合わないのはなぜ?に詳しく書かれています。

合奏が何回目くらいで聴こえるようになりますか?

個人差がありますが、「1回吹かずに聴く」を1回やるだけで、次の合奏から聴こえ方が変わる方が多いです。月1回の合奏なら、3回目くらいで隣と低音が自然に耳に入るようになります。

まとめ:少し小さく吹いて、隣と低音を聴く

周りの音を聴くとは、自分の音を周りより少し小さく出し、隣の楽器と低音の2つを聴くことです。1回吹かずに聴く、ロングトーンで隣に溶かす、音源でメロディ以外を追う、の3つで聴こえるようになります。【合奏の基本】シリーズは、指揮の見方、休符の数え方、基礎合奏とは、楽譜の準備と、この記事の5本です。全部読んだら、初めての合奏ガイドで当日の流れを確認して、合奏に来てください。

よかったらシェアしてください!